DXツールとは?意味や種類・導入によるビジネスの変化などを解説

デジタイゼーションとデジタライゼーションを実現し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するために使われるツールは、DXツールと呼ばれることがあります。多くの場合、DXを進める手法として有効なのは、DXツールを新たに導入して課題を解決しながら、次のステップへと結びつけていく進め方です。

DXツールがなぜ有効なのかを考えながら、DXツールの種類や選定のポイントについて紹介します。

DXの進め方とDXツールの考え方

DXはどのように進めていくのが有効なのでしょうか。DX推進において、ツールの導入をどのように考えたらよいのかについても見みましょう。

国内市場縮小傾向のなか、国際競争で勝利していくためにもDX推進が必要

少子高齢化により国内市場が縮小していくなか、日本企業が国際競争を見据え、その競争力を高めていくことの重要性は年々増しています。日本の多くの企業が、従来の業務のやり方のままでは世界の潮流に乗れず、競争優位性を保てないまま埋没していくことも懸念されます。

こういった競争力の維持や業務の変革を実現するために、DXが求められているのです。

DXとは、「デジタルテクノロジーを駆使したビジネスの変革」です。ここでいう変革とは、ビジネスモデルの変化だけでなく、個人の生活や社会構造までを含みます。ビジネス環境の激しい変化に対応するため、データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するための取り組みこそがDXです。

DXについて詳しくは、【徹底解説】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?必要性から成功事例まで」をご覧ください。 多くの企業、多くの経営者は、 DXへの取り組みの必要性を感じているのではないでしょうか。しかし、どのような方法で取り組めばよいのか、どこから手を付ければよいのかわからないことも多いと考えられます。

DXツールを難しく考える必要はない

DXに着手する際、自社に合うDXの手法がわからない、どの部門から手を付けたらよいかわからないという企業も少なくありません。このような場合に多いのは、最新のデジタル技術を理解しなければDXに取り組めないと考えているケースです。

また、「とりあえず、話題になっている最新技術を用いてデジタル化を進めよう」というケースもあるのではないでしょうか。

しかし、最新のデジタル技術を入り口としてDXに取り組む手法は、本来目指すべきDXへの回り道になってしまうかもしれません。DX の目的は、業務をデジタル化することそのものはではなく、デジタル技術やツールを使って新たなビジネスモデルを創出し、業務遂行方法や企業の運営に変革を起こすことです。

そのため、最先端の技術を導入することに固執する必要はありません。先端技術でなくても、ある程度普及しているツールを活用することでDXを進めることもできます。「情報の一元管理ができる」「業務の効率化ができる」「データ活用ができる」といった要件に当てはまるツールであれば、DX推進に役立ちます。

そういったツールの中から自社のビジネスに生かせるものを選び、そこからDXの種を見つけ進めていくことも、DX推進の手法のひとつです。

バックオフィスや営業活動においてDX推進に活用できるツールは数多くあります。このあとで、DXツールの例を目的別に紹介します。

DX推進に関しては、以下もご参照ください。

DXの推進でビジネスはどう変わる?DXを進めないとどうなる?

目的ごとに選ぶDXツール

DX推進に役立つツールの要件のうち、「業務が効率化できること」について紹介します。

業務やシステム運用を自動化

業務やシステムの運用を自動化できるツールの導入は、作業の効率化や顧客対応の迅速化など、さまざまなメリットがあります。

業務改善や効率化を推進するRPAは、バックオフィスで行われる日々の繰り返し業務を自動化できます。RPAによる業務の自動化により、生産性が向上し、ミスもなくなり、顧客対応に注力できるようになったという事例は数多くあります。

Autoジョブ名人:【最新RPA事例集】RPAで業務改善の成果を出す!その秘訣は?

関連記事:RPAとは?必要性や効果を徹底解説

社内・社外コミュニケーションを効率化する

社内の会議やミーティング、社外の営業活動や顧客との連絡に、デジタルツールを導入して効率化を図ることが可能です。

例えば、Web会議システムを導入すれば、複数の営業所から従業員がわざわざ一カ所に集合するための時間やコストをかけることなく、オンラインで会議ができます。また、ビジネスチャットを導入すれば、社内連絡だけでなく、顧客との連絡も円滑で迅速なやりとりが可能です。これらのコミュニケーションツールによる効率化もDXの一部といえます。

マーケティングや営業活動を自動化・効率化する

CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)、MA(マーケティングオートメーション)、BI(ビジネスインテリジェンス)などのツールは、営業やマーケティングに欠かせません。

これらのツールの活用により、営業活動やマーケティングプロセスを自動化し、効率化することが可能です。また、こうしたツールに蓄積するデータを活用して顧客のニーズを把握し、新しい製品開発のヒントを得て着手できることが、DXを実現していると言えるでしょう。

顧客対応の効率を高める

顧客対応の効率化によって、顧客満足度を向上させるとともに、社内の業務効率化を図ることが可能です。

例えば、チャットボットを導入して、顧客からの簡単な質問への回答を自動化し、さらに踏み込んだ質問内容は適切な部所へと接続します。 自社のWebサイトを充実させることも、顧客対応として有効です。顧客が自らWebサイト上で検索し、EC画面から発注すれば、個別対応を効率化できます。また、例えばウェブコンテンツの管理を効率化するCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入することで、自社のWebサイトを整備して顧客からの利便性を向上させることができます。顧客が見て情報を得やすいよう整えるという意味では、間接的に顧客対応の効率化につながっていると言えます。

DXツールによってビジネスはどう変わる?

上述したように、DXツールの導入によって業務の課題が解決し、業務効率化につながります。また、業務効率化を実現したことによって、顧客に対して新たな価値を提供できる可能性もあります。

業務効率化と価値提供に成功した事例を2件紹介します。

新販売管理システムの導入によって正確性やサポート体制などが向上

既存の販売管理システムに代わって新たな販売管理システムを導入し、それまでの課題を解消した、食品香料メーカー企業の事例です。

従来の販売管理システムでは、自社の業務に適したカスタマイズができず、サポートにも不安がある状態でした。商品のロット管理が正確に行えず、保管や出荷が目視チェックによる属人的管理になっている点も、大きな課題でした。

こういった課題を解決したのが、新たな販売管理システムの導入です。BIや検品システムをセットで導入し、システムの信頼性を向上させるとともにピッキングミスの減少、当日出荷体制の強化に成功しました。

倉庫内作業が約半分にまで短縮し、棚スペースの有効活用によって保管スペースも削減でき、大幅な効率化に成功しています。

導入事例>横山香料株式会社

送り状発行の自動化から顧客問い合わせの迅速対応へ

既存の基幹システムと連携できる送り状発行アプリケーションを導入することで、業務効率化と顧客対応の迅速化に成功した企業の事例です。

物流センターを運営する同企業は、配達エリアや荷量などによって運送会社4社を使い分けていました。業務工程は、受注データをもとに注文書とピッキングデータを発行、倉庫でのピッキング作業後に事務所で出荷案内書を発行、商品の照合・梱包後に送り状を発行という流れです。

同工程では、出荷スタッフが出荷案内書を受け取って倉庫へ戻り、商品を照合して梱包したのち、再び事務所へ出荷案内書を返却しなければなりませんでした。事務所で出荷案内書をもとに送り状を発行するためです。

ここに、基幹システムと連携できる送り状発行システムを導入したことによって、出荷現場(倉庫)での送り状発行が可能になりました。事務所からシステム上でピッキングデータを発行するだけで、以前のような書類を持っての往復は解消されました。

また、出荷業務の進捗をシステムに反映することで、顧客からの荷物問い合わせにも迅速に対応することが可能になっています。

DXツールの導入によって、業務効率化と顧客への価値提供を同時に実現した例といえるでしょう。

導入事例>アムハード小西

ビジネスを変化させるDXツール選定のポイント

上に挙げた成功事例のように、DXツールを活用して成果を上げるには、ツールの選定が重要です。選定にはいくつかのポイントがありますが、最重要となるのは次の3点です。

自社にとって使いやすいか

自社の従業員がそのツールを使う能力を身につけられる見通しがあるか、教育できる体制を整えられるかを見極めることは重要です。

操作が複雑すぎるツールを選定してしまうと、一部の従業員しか対応できず属人化が進んでしまいます。

そのツールに関して、サポートが充実しており、安心して運用を続けていけるかも考慮しましょう。

自社の業務と課題に適しているか

課題が明確になっていない部分に対してDXツールを導入しても、多くの場合効果が上がりません。

業務工程と課題を明確化したうえで、自社の業務と課題に適したツールであるかを検討しましょう。

従来システムとの連携と今後の拡張性

既存システムとのシームレスな連携やデータ引き継ぎができなければ、多くの時間とコストを消費しなければなりません。これまで使ってきたシステムと連携できるかという点も重要です。

今後の拡張性があり、課題解決から新たな価値創出につなげていける可能性があるかという点も確認しましょう。

DXツールの活用で新たなビジネスモデルを生み出す

業務にデジタルツールを導入しただけでDXの推進が終わるのではありません。DXの目的は、デジタル化したところから新たな価値やビジネスモデルを生み出していくことです。また、それらの取り組みをする体制の整備、組織としての考え方の変化もDXの一部です。DXツールを活用し、本来の意味でのDXへとつなげていくためには、今回紹介したような、自社のスキルや業務に適しているかといった選定ポイントがあります。自社の業務を分析し、最適なDXツールを選定しましょう。