週末の花屋が見つけた「生成AIとのやさしい関係」実践ブログ:第3回

AIと共に、感性を磨くということ

こんにちは、DXGO編集部&ユーザックシステム マーケティング本部の大崎です。

今回の実践ブログは、これまでのマーケティング(ビジネス)寄りのシリーズとは少しトーンを変えて、全4回でお届けする“花と生成AI”の小さな実験記の第3回です。

👉第1回「AIと花。まったく別の世界のようでいて、似ているところもある」
👉第2回「忙しさの中で気づいた、AIの“やさしい力”」

私は平日、デスクワーク中心の仕事をしていますが、週末は花を束ねています。
季節ごとに仕入れた花を整え、人に届ける──
そんな時間が、私にとって心を整える大切なひとときです。

花を扱う仕事の中で、生成AIというテクノロジーと向き合うようになって、
「感性とAIは、対立するものではなく、響き合うものかもしれない」
そう思うようになりました。

花の世界では、“感じる力”が何よりも大切です。
どんな花を選び、どう組み合わせるか。
香り、色、光の当たり方──それらを瞬間的に判断するのは、知識ではなく感覚です。

けれど、日常の忙しさの中では、その感覚が少しずつ曇っていくことがあります。
慣れや経験が「安全な選択」を導き、
いつの間にか“美しさを感じる心”が深呼吸できなくなるのです。

そんなとき、私はAIに相談してみます。
「今日はどんな言葉で花を紹介しようか?」
「この花束のテーマをどう伝えよう?」
AIの答えは、時に予想外で、時に少し的外れ。
けれど、その“ずれ”が新しい視点をくれるのです。


ある日、AIがこんな表現を返してきました。

「この花束は、まだ見ぬ春の約束のようです。」

最初は少し大げさに感じました。
でも読み返すうちに、その言葉が心に残りました。
たしかに、この花を束ねながら感じていたのは、
“まだ少し先の季節を思う気持ち”だったのかもしれない、と。

AIの表現をきっかけに、自分の感情を改めて見つめ直す。
その瞬間に、私は「感性が磨かれる」という意味を実感しました。

AIは、正しい答えをくれる存在ではありません。
むしろ、問いを深めさせてくれる存在です。
自分の中にある“なんとなく”を言葉にしようとするとき、
AIがその輪郭を少しだけ照らしてくれる。
まるで光の角度を変えて花を見るように、
いつもとは違う一面に気づかせてくれるのです。 ときには、AIの提案が「違う」と感じることもあります。
でもその“違和感”が、むしろ自分の軸を確かめるきっかけになる。
「私は、こうは思わない」「こっちの方がしっくりくる」
そんな対話の中で、少しずつ自分の感性の輪郭がくっきりしていく。
AIとのやり取りは、まるで鏡に映る自分を見直す時間のようです。

イメージ:自然光の中で花びらが少しずつ色を変える。その一瞬の揺らぎに、AIの世界にも通じる“観察”の美しさを感じる

花と向き合うときも、同じことを感じます。
一輪の花を手に取り、「どの角度が一番美しいだろう」と考える。
光の当たり方、花びらの重なり、葉の揺れ方──
その微妙な差を観察する中で、自分の中の“美しさの基準”が少しずつ変わっていきます。

AIとの対話もそれに似ています。
言葉を少し変えるだけで、AIの返す答えが変わる。
まるでその日の自分の心が反映されているようで、
「感じる力」というものが、いかに繊細で生きたものかを思い知らされます。

私は最近、AIを“感性のトレーニング相手”のように捉えています。
答えを求めるのではなく、感じ方を確かめるために使う。
AIが出した言葉に対して、「この表現は硬い」「もう少し丸みを持たせたい」と感じた瞬間、自分の中に“やさしさの基準”があることに気づくのです。

AIとのやり取りは、感性の反射神経を鍛えるようなもの。
使えば使うほど、自分の中の“感じる筋肉”が育っていく感覚があります。

感性は、特別な才能ではなく、意識して磨ける力です。
日々の中で花を見つめること、AIに問いかけること、
そのどちらもが「観察」と「対話」の積み重ね。
どちらの世界にも、“人がどう感じ、どう選ぶか”という本質があります。

AIを使うことは、感性を失うことではありません。
むしろ、感性を確かめ、磨き、深めるきっかけになる。
花の一輪に心を動かすように、
AIのひとつの返答にも、自分の心のあり方が映し出されているのです。

AIは無限の答えを持っています。
けれど、そこから何を選び、どんな言葉に共感するかは人にしかできません。
その“選び方”こそが、感性なのだと思います。

私は今日もAIと対話を重ねながら、
花と同じように、自分の中の“感じる力”を少しずつ磨いていきたいと思います。

次回は、最終回「花を選ぶように、AIとも向き合う」をお届けします。

🌸こちらもどうぞ🌸各6回連載がまとめて読めます。

DXGO編集長:大崎の実践ブログ

👉「中堅・中小企業のためのChatGPT活用ガイド – 業務効率化から売上向上までChatGPTでできること」

👉「生成AIが変える、マーケティングの未来」