物流現場を効率化するにはまず出荷業務から!デジタル化で課題を解決しよう

コロナ禍により加速したオンラインショッピングの増加で、物流の現場では荷物量が激増しています。

また、これまで施行が猶予されていた、自動車運転業務の時間外労働の上限規制が2024年4月1日より適用されます。これに伴い、いっそうのドライバー不足により物流が滞るとされる「2024年問題」が指摘されています。

このような状況から、物流現場の効率化が急務です。

物流現場のなかでも出荷業務にはさまざまな課題があります。具体的には、運送会社により異なる送り状に対応が必要、誤出荷の発生、着荷問い合わせ対応の煩雑さなどです。ここでは、物流現場の出荷業務の課題を確認するとともに、課題解決のための業務効率化の方法を紹介します。

物流現場の効率化については、以下の資料もご参考ください。出荷現場の業務課題から解決策までをまとめています。
業務過多の物流現場を効率化するには?e-bookダウンロード

物流現場の効率化を阻む出荷業務の課題とは

物流現場では、業務の大幅な効率化が急務となっています。理由としては次の2点が挙げられます。

  • 荷物量(作業量)が激増したため
  • 「2024年問題」を原因とした「物流クライシス」の深刻化が懸念されるため

物流クライシスや「2024年問題」について詳しくは、次の記事をご覧ください。

物流クライシスとは?物流DXで2024年問題から脱却するには

物流現場のなかでも、特に出荷業務には多くの課題があります。主な例を紹介しましょう。

送り状発行・添付の作業が煩雑・ミスが発生しやすい

物流現場では、多くの場合、複数の運送会社を使っています。運送会社は独自の送り状を利用しているため、それぞれの会社に合わせて送り状を作成・発行し、添付しなければなりません。

そのため手作業が増え、非常に煩雑な作業で、ミスが発生しやすい現状があります。

ミスが発生して不達・誤配などのトラブルがあると、荷主・受け取り先・輸送会社すべてに迷惑がかかり、大きな信用低下を招いてしまうリスクがあります。

非効率的な移動が多い

出荷業務は、事務所で注文を受けて各種伝票作成をし、それをもとに事務所から離れた場所にある倉庫などで出荷作業を進めるのが一般的な流れです。伝票作成場所と出荷作業現場との間を何度も行き来する必要があり、無駄な移動が多く発生してしまいます。

着荷の問い合わせ対応の負担が大きい

着荷の問い合わせ対応にも、多くの時間がかかります。まず複数の運送会社のうちどこの業者を使ったのかを調べ、その運送会社のサイトで確認するといった作業が発生します。その伝票を作成した人でなければ対応ができない、属人的な作業体制となっているケースも少なくありません。

出荷業務の課題はデジタル化で解決

これらの課題を解決するには、デジタル化が必要です。デジタル化によって、送り状発行のシステム化や、受注から出荷までの情報の一元管理などが可能になり、大きな業務効率化につながります。

効果的なデジタル化を行うには、システムを導入する前に、まずは業務フローを見直すことが大切です。業務フローのなかにある無駄なプロセスを発見して取り除くことで、業務フローをスリム化します。この段階で、ある程度の業務効率化が実現できます。

業務フローの見直しをしたら、業務の内容に応じて帳票ソリューションを選択します。例えば、送り状の作成・発行をシステム化する場合には、次のような効果が得られます。

  • 運送会社ごとに異なる形式の帳票が作成可能になる

送り状の作成・発行作業の煩雑さがなくなり、ミスが防げます。

  • 事務所ではなく、現場(倉庫)での帳票作成が可能になる

実際に出荷作業を行う現場で帳票作成ができるため、現場と事務所間の移動が不要になります。

  • 納品書と送り状を合わせて梱包できる

手作業を省き、帳票の添付ミスや誤配がなくなります。

  • プロセスの自動化が実現し、ミスが減る

多くの作業を自動化することで、人間が行う作業を削減し、ミスをなくします。

  • 作業時間を短縮できる

作業の自動化で、人間が行う作業の時間を短縮できます。

また、帳票作成・発行システムにRPAを組み合わせて導入するとより効果的です。

RPAを導入することで、基幹システムを中心にしたデータの一元管理と、データ入力の自動化などが可能になります。具体的には、以下のような効果が得られます。

  • プロセス全体のデータの一元管理が可能になる

RPAにデータの入出力をさせることで、受注から出荷までのデータを一元管理できます。

  • 送り状発行や顧客対応の自動化が実現する

データの一元管理により、送り状の作成・発行を自動化できます。顧客対応も、ある程度の自動化が可能です。

  • 誤出荷を削減できる

データの一元管理により、送り状と荷物の不一致などのミスを防ぐことができます。

  • 着荷問い合わせ対応を合理化できる

データの一元管理により、着荷問い合わせ時に手作業で伝票や荷物の情報を探す必要がありません。

送り状発行業務の改善で、出荷業務工数を半減!詳細は以下の事例をご覧ください。
物流DX事例|スワロー工業株式会社様 いかにして出荷業務工数を半減させたのか

出荷業務をデジタル化するための3ステップ

受注から出荷業務を通して帳票・伝票発行をシステム化するには、一般的には次の3つのステップで進めます。

  1. 業務フローの見直し
    今までの業務フローを見直します。すべてのプロセスを洗い出して、その中から無駄なものを省き、ムラをなくして、業務フローをスリム化します。
  2. 無駄取りと標準化
    スリム化した業務フローの各プロセスを詳細に分解して見直し、同じように無駄やムラを発見して改善します。さらに、改善後の作業プロセスをもとにして、作業を標準化します。このふたつのステップにより、一定の業務効率化が実現し、システムを導入しやすくなります。
  3. デジタル化
    システムを導入します。帳票ソリューションだけを導入するか、RPAも組み合わせて導入するか、どのようなシステムを構築するかは企業によりさまざまです。
    帳票ソリューションだけでも出荷業務の効率化は可能ですが、さらにRPAを組み合わせることで、より大きな効率化につながります。RPAによって受注から出荷業務だけでなく、販売管理や顧客管理とも連携し、さらなる業務効率化とミスの削減が可能になります。

物流現場の効率化にはデジタル化が不可欠

物流業界では、以前から作業量の増加が問題になっていました。現在は「物流クライシス」や「2024年問題」などのキーワードにより、業界内にとどまらず、社会問題として認知されています。物流業界以外の業種でも出荷業務は発生します。多くの企業が「荷主」として、問題を抱える当事者になりえるでしょう。業界を問わず、物流現場の効率化は急務であるといえます。

物流業界では、「物流クライシス」に対応するため、IT技術を利用した効率化を進めています。デジタル化によってデータを一元化する、作業を自動化してミスを削減する、問い合わせ対応が容易になるなどの、大きな効果が見込めるからです。

ユーザックシステムでは、今回紹介した内容をわかりやすくまとめた資料を用意しています。以下のリンクから無料でダウンロードが可能です。興味のある方はぜひ、ご一読ください。

業務過多の物流現場を効率化するには? 帳票ソリューションとRPAによるデジタル化がカギ

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