ChatGPTはもうチャットではない ~AIエージェント時代の始まり~
こんにちは、DXGO編集長の大崎です。
ここ1〜2年で、ChatGPTという名前を聞いたことがない人は少なくなりました。実際に使ったことがある方も多いと思います。
しかし、
- メールを書いてもらった
- 文章を要約してもらった
- ちょっと質問してみた
という使い方で止まっている方も少なくないのではないでしょうか。
もしそうだとしたら、現在のChatGPTの実力をまだ半分も体験していないかもしれません。
2025年以降、ChatGPTは大きな進化を遂げています。以前は「質問に答えるAI」でしたが、現在は「調査し、記憶し、提案し、時には作業まで行うAI」へと変化しつつあります。
私は日々の業務だけでなく、マーケティング施策の検討や市場調査、副業で運営している花の定期便事業、さらには趣味のドライブ計画まで、さまざまな場面でChatGPTを活用しています。
その中で強く感じるのは、
「ChatGPTはもう単なるチャットツールではない」
ということです。
この記事では、AIエージェント時代を象徴する5つの機能
- Deep Research
- Memory
- Voice
- Tasks
- Codex
を通じて、ChatGPTがどのように進化しているのかをご紹介します。
ChatGPTは「質問箱」から始まった
ChatGPTが登場した当初、多くの人が驚いたのは自然な会話能力でした。
それまでの検索エンジンは、
- キーワードを入力する
- 情報を探す
- 自分で整理する
という流れでした。
一方、ChatGPTは会話形式で質問できます。
例えば、
「PEST分析とは何ですか?」と聞けば、わかりやすく整理された回答を返してくれます。当時としては十分に画期的でした。
しかし、本質的にはまだ、
「人間が質問する」
「AIが回答する」
という関係でした。
つまり「高性能な質問箱」です。
ところが現在は、その役割が大きく変わり始めています。
AIエージェントとは何か
最近よく耳にする「AIエージェント」という言葉があります。少し専門的な響きがしますが、考え方は意外とシンプルです。
従来のAIは、
「聞かれたことに答える」という存在でした。
一方、AIエージェントは、
「目的達成のために行動する」という存在です。

例えば、
「RPA市場の今後を分析したい」
という依頼があった場合、従来のAIは市場概要を説明する程度でした。
しかし現在のAIは、
- 情報を調査する
- 競合を整理する
- 市場動向を分析する
- レポートをまとめる
- 打ち手を提案する
ところまで支援してくれます。
つまり、「質問への回答」から「目的達成の支援」へ進化しているのです。
この変化は、パソコンの登場やインターネットの普及に匹敵するインパクトを持つかもしれません。
ChatGPTで体験できる5つの進化
では、現在のChatGPTは具体的に何ができるのでしょうか。
私自身が日常的に活用している機能*1を中心に紹介します。
*1ChatGPTの機能や画面表示は、契約プランや提供時期によって異なる場合があります。実際に利用する際は、ChatGPTの公式ページやリリースノートで最新情報をご確認ください。
① Deep Research
私が最も衝撃を受けた機能の一つがDeep Researchです。これは簡単に言えば、
「AIが代わりに調査を行う機能」
です。
活用シーンとしては、
- 競合企業分析
- 市場調査
- 製品比較
などを依頼できます。
単に検索結果を並べるのではなく、
- 情報収集
- 要約
- 分析
- レポート作成
まで行ってくれます。
直近でもRPA市場分析や競合調査で活用しました。従来なら数時間から半日かかっていた作業が大幅に短縮されることがあります。
② Memory
最近のChatGPTは、利用者との会話を継続的に理解できるようになっています。私自身で言えば、
- マーケティング責任者であること
- CROを兼務していること
- 花の定期便を運営していること
などを踏まえて会話が進みます。
そのため、毎回ゼロから説明する必要がありません。これは単なる便利機能ではなく、AIが個人に最適化され始めたことを意味しています。
③ Voice
音声会話機能も大きく進化しています。最近では、
- 移動中
- 散歩中
- クルマの中
でも自然に会話できます。
実際に使うと、
「AIを操作する」という感覚より、
「AIと会話する」感覚に近いことに驚きます。
今後、多くの人が最初にAIを使う入口はキーボードではなく音声になるかもしれません。
④ Tasks
Tasksは、ChatGPTに仕事をお願いしておくイメージに近い機能です。
例えば、
- 来週のセミナー前日に通知
- 定例会議前のリマインド
- 定期的な情報収集
などを任せることができます。
まだ発展途上ではありますが、
「質問するAI」から「仕事を依頼するAI」への変化を象徴する機能だと思います。
⑤ Codex
最後にぜひ触ってほしいのがCodexです。
名前だけ聞くと「プログラマー向けの機能」と思われがちですが、実はマーケティング担当者や事業企画担当者にも大いに役立つ可能性があります。
Codexの特徴は、
「やりたいこと」を日本語で指示するだけで、AIが実際に作業を進めてくれる
ことです。例えば、
- Excelファイルから重複データを削除する
- CSVデータを指定のフォーマットに変換する
- 売上データをグラフ化する
- レポートを自動生成する
といった作業を依頼できます。さらに、
- Webサイトの試作
- HTMLページの作成
- 簡単な業務アプリの作成
なども可能です。
私自身、経営会議資料やマーケティング戦略を考える際に大きな可能性を感じています。
マーケティング業務であれば、
「RPA市場についてPEST分析を行い、今後3年間の市場変化を整理してほしい」
「主要競合を含めて3C分析を実施し、自社の強みと弱みを整理してほしい」
「クロスセル拡大に向けた打ち手をSWOT分析で整理してほしい」
といった依頼もできます。
従来は、
- 情報収集
- フレームワークへの当てはめ
- スライド作成
までに数時間から数日かかることもありました。
しかしCodexを活用すると、調査から整理、アウトプットのたたき台作成までを短時間で進められる可能性があります。もちろん最終的な意思決定は人間が行う必要がありますが、
「ゼロから考える」のではなく、
「AIが作ったたたき台をブラッシュアップする」という進め方ができるようになります。
これは作業時間を短縮するだけの話ではありません。情報を集め、整理し、たたき台をつくるところまでAIに任せられるようになることで、仕事の進め方そのものが変わっていく可能性があります。
個人的には、今後2〜3年でマーケティングや企画業務に最も大きな影響を与える機能の一つだと考えています。

なぜ今AIエージェントが注目されているのか
なぜ今、AIエージェントが注目されているのでしょうか。
理由の一つは、生成AIが「文章を作る道具」から、「業務の一部を任せられる存在」へ変わり始めているからです。
これまでのAI活用は、人間が質問し、その回答を人間が読んで判断する使い方が中心でした。しかし現在は、AIが情報を探し、整理し、必要に応じて次の作業まで進める方向へ進化しています。
生成AIの進化を振り返ると、
第一段階は「文章を作るAI」でした。
第二段階は「仕事を支援するAI」です。
そして現在は、第三段階である「行動するAI」へ向かっています。
つまり、答えを返すだけではなく、
- 調べる
- 整理する
- 提案する
- 実行する
ところまで担うようになってきています。これがAIエージェントと呼ばれる理由です。
まず何から始めれば良いのか
ここまで読んで、「難しそうだな」と思った方もいるかもしれません。
しかし、特別な知識は必要ありません。私がおすすめする順番は次の5つです。
① 音声会話
まずは最も気軽に試せるのが音声会話です。例えば、
- 今日の予定整理
- 出張先の宿泊候補相談
- 週末のドライブ計画
- 気になったニュースの解説
などを移動中に話しかけてみてください。
実際に私は休日のドライブ計画をChatGPTに相談することがあります。
「海ほたる経由で3時間程度のおすすめルートを考えて」と相談することがあります。
キーボードで入力するよりも、ずっと自然にAIを使えることに驚くはずです。
② Memory
次に試してほしいのがMemoryです。これはChatGPTが利用者のことを理解しながら会話できる機能です。例えば、
- マーケティング担当
- 営業責任者
- 製造業勤務
といった背景を覚えてもらうことで、回答がより自分向けになります。
私の場合も、
- CROを兼務していること
- 花の定期便を運営していること
- ドライブが趣味であること
などを前提に会話が進むため、毎回説明する手間がありません。
③ Deep Research
慣れてきたらDeep Researchを使ってみましょう。これは、「AIに調査を依頼する」感覚に近い機能です。例えば、
- RPA市場の競合分析
- 業界トレンドの整理
- 競合企業の比較
などを依頼できます。
従来なら数時間かかっていた情報収集が、短時間で整理されたレポートとして得られることがあります。
④ Tasks
次はTasksです。これは、「あとでやっておいて」をAIに依頼するイメージです。例えば、
- 来週のセミナー前日に通知
- 毎週の業界ニュース収集
- 定例会議前のリマインド
などです。
まだ発展途上の機能ですが、「質問するAI」から「仕事を任せるAI」へ進化していることを実感できます。
⑤ Codex
最後にぜひ触ってほしいのがCodexです。まずは、
「PEST分析をやってみて」
「3C分析で整理して」
「SWOT分析でまとめて」
という簡単な依頼から始めてみるのがおすすめです。
AIが整理したたたき台を見ながら、自分の考えを加えていくことで、戦略立案のスピードが大きく変わる可能性があります。
これからの時代は、
「AIに答えを聞く」より、
「AIと一緒に考える」ことの価値が高まっていくでしょう。最近ではAIが
- Web検索する
- 調査する
- スケジュールを管理する
- コードを書く
だけでなく、将来的には複数のAIが協力して仕事を進める世界も見え始めています。
まとめ
ChatGPTは、チャットで質問に答えるだけのツールから、
- 調査する
- 記憶する
- 会話する
- 提案する
- 行動する
AIへと進化しています。
そして今、私たちは「AIエージェント時代」の入り口に立っています。
まずは一つでも構いません。新しい機能を試してみてください。きっと、
「ChatGPTって、ここまで進化したの?」
という今回のタイトルの意味を実感できるはずです。
次回予告
第2回:AIがあなたの代わりに調べる Deep Research活用術
市場調査、競合分析、企業研究など、実際の活用事例を交えながら詳しくご紹介します。
