物流コストとは?内訳や削減方法、DXも含めた具体的な取り組み例を紹介

商品を製造する際にはコストがかかり、企業はその削減に日々取り組んでいます。しかし、製品をつくるためには原材料を調達する必要があり、完成した製品は輸送するまで保管する必要があります。また、売り上げにつなげるには、完成した製品を顧客のもとへ届けなくてはなりません。こうした製品や原材料の輸送、保管などに発生するコストが物流コストです。物流コストも、製造にかかるコストと同様に、可能な限り削減したいところです。

物流コスト削減のための戦略はいろいろと考えられますが、デジタル化や、そこからつながるDXの推進も有効な手段です。本記事では、物流コストの内訳を説明するとともに、コスト削減のための戦略、デジタル化・DX推進を中心とした取り組み例を紹介します。

物流コストとは

まずは物流コストについて紹介します。

物流コストの意味

物流コストとは、物流業務にかかる全コストのことです。運送費だけでなく、保管費や人件費などさまざまな項目があり、一般的には機能別・支払い形態別・物流プロセス別で分けられます。

機能別は、「運送費」や「人件費」といった物流の機能のうち、どこで発生するのかにより分類するものです。支払い形態別、物流プロセス別については、次の基準で分類します。

<支払い形態別>

1.支払い物流費

  • 輸送・配送や事務処理で必要となる外注費
  • 倉庫のレンタル料

など

2.社内物流費

  • 輸送・配送や事務処理で必要となる社内の人件費
  • システムの運用費

など

<物流プロセス別>

1.調達物流費

自社製品の原材料を調達するために必要な費用

2.社内物流費

社内で製品、材料、郵便物などを運ぶために必要な費用

3.販売物流費

自社製品を販売するために、販売店や購入者へ輸送するために必要な費用

物流コストの機能別分類と内訳

物流コストは、内訳の各コストを合算し計算されます。機能別で分類した場合の内訳は下記のとおりです。

1.運送費

宅配事業者や自社便による運賃などです。自動車だけでなく、航空便や船上輸送など方法はさまざまで、自社でチャーター機を持つ場合は、その運賃も含まれます。

2.保管費

製品や原材料を保管する場合の保管場所にかかる貸借料などの費用です。保管場所での入出庫にかかる費用も含まれます。

3.荷役費

荷物を入荷・出荷する際に発生するコストです。倉庫・物流センターなどでの入庫費や出庫費だけでなく、梱包費やシール・タグ付けなどの費用である流通加工費も含まれます。

4.物流管理人件費

製品や原材料の管理業務を行う人件費です。物流に関する戦略・企画・分析などを行う人件費は含まれず、入出荷や伝票発行業務など、実際の管理業務に携わる人件費を指します。

物流コスト削減のための主な戦略

物流コストを抑えるにはどうすればよいのでしょうか? 主に次のような戦略が考えられます。

在庫管理の最適化

在庫管理を最適化することで、人件費や保管費を削減することが可能です。

在庫管理を効率良く行うためには、全体の作業手順を把握し、円滑に業務をこなせるように整理しなくてはいけません。在庫が増えるほど保管場所が増え、保管費もかさむため、在庫管理を適切にすることは保管費削減にもつながります。在庫保管時のスペースの使い方も留意すべきポイントです。在庫の配置方法を工夫してスペースの無駄をなくし、スペースを有効活用した適切な保管方法をとることが重要です。

また、適切な在庫管理を効率的に行えるツールやシステムの導入も、積極的に検討したいところです。

例えば、在庫管理にかかわる各業務を自動化するために、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入することで、効率化が図れます。また、それらと基幹システムを連携させて業務全体のデジタライゼーションを進めることで、いっそうの効率化が進みます。無駄を省き、保管費や人件費などを大きく抑制する効果が期待できるでしょう。

RPAとは、定型的な作業をソフトウェアロボットで自動化する技術のことです。詳しくは「DX推進に大きく貢献するRPA―導入メリットや注意点・事例まで 」をご覧ください。

輸送ネットワークの改善

輸送ネットワークを改善することで、コスト削減を目指すことが可能です。

例えば、原材料の調達から製品の出荷まで、配送拠点や利用する運送会社などの最適化を図ります。既存の配送拠点に無駄や不足がないか、よりコストを抑えられる運送会社はないかなどを見直します。

また、輸送を管理するためのシステムを導入するのも効果的です。システム導入により原材料や製品の移動状況を一括管理して、そのプロセスで発生するさまざまな業務を効率化・最適化できます。それにより、運送費や人件費などのコスト削減ができるでしょう。

配送効率の向上

物流コストを抑えるためには、配送を効率良く行うことも重要です。

一例として挙げられるのは、拠点の集約です。配送拠点を全国に点在させるより、限られた場所に集約させたほうが貸借料や保管費などを削減できます。また、原材料の調達場所から製造拠点までの距離を短くすることも社内輸送費の削減につながり、製品完成までの時間も短縮します。

入荷や出荷といった配送にかかわる作業をする場所については、広いスペースを確保する、通行しやすいよう道を整備するなど、作業しやすい環境づくりを意識することも効果的です。

自社で配送する場合、配車の効率化も有効な策です。例えば、配送管理システムを活用して最適な配車を実現すれば、配車にかかる無駄なコストを削減できます。配送管理システムを利用すると、経験の有無にかかわらず誰でも適切な配送計画を作成できるため、業務負担の偏りを是正でき、業務の属人化防止にも役立ちます。

以上のように、物流コストの削減には、デジタル化が極めて効果的で、DX推進につながります。このあと、物流コスト削減に向けた取り組みのなかでも、デジタル化に関連する例を紹介します。

DXに関連する物流コスト削減のための具体的な取り組み例

物流コストを抑えるため、企業ではさまざまな取り組みが行われています。実際に行われている具体的な取り組みについて、デジタル化やDXに関連する事例を中心に紹介します。

出荷支援システムによる作業の効率化

複数の事業を展開するあるメーカーでは、管材事業において取り扱う商品の品目が数万点以上あることから、業務上でミスがたびたび起きていました。そこで、出荷支援システムを導入し、製品に添付したバーコードをリーダーで読み取る手法にすることで、カウントミスや取り間違いなどの出荷ミスを減少させました。また、保管位置とのひもづけをすることで、ピッキングにかかる時間短縮にも成功しています。

このシステムの導入は、配送計画の最適化にも役立ちました。本来、専門知識を必要とする配送計画が効率化されたことにより、配送ミスの減少、物流コスト・人員の削減につながっったのです。管理をシステムにより最適化したことで倉庫の稼働率も上がり、さらに多くの製品を扱えるようになりました。

ロボットの導入による作業の自動化

多くの大手ECサイトや運送会社などでは、管理、入荷・出荷、ピッキングなどの配送業務におけるさまざまな作業を、ロボットによる自動化に切り替えて作業の効率化を実現しています。作業のスピード向上が実現しただけでなく、人の手で行うよりもミスを削減することに成功し、品質向上にもつながりました。

ロボット技術は進化し続けており、運搬ロボットやドローンによる運搬への自動化も進んでいます。

物流におけるDX取り組み事例については、「物流におけるDX―業界の課題と推進のポイント、取り組み事例などを紹介!」もご覧ください。

送り状発行システムによる効率化

送り状発行システムの活用は、物流コスト削減に大きな効果が期待できます。取引している運送会社の送り状作成を効率化は時間と労力の削減につながります。また、データ入力の誤りが減少することで、誤配送のリスクが低減し、その結果として再配送にかかるコストが削減されます。さらに、効率的な配送ルートの最適化が可能となり、運送コストの削減に寄与します。デジタル化されたデータの分析を通じて、配送プロセスのさらなる効率化や改善点の特定が可能になり、長期的なコスト削減にも繋がります。

送り状発行業務の改善で、出荷業務工数を半減!詳細は以下の事例をご覧ください。
物流DX事例|スワロー工業株式会社様 いかにして出荷業務工数を半減させたのか

デジタル化などさまざまな取り組みにより物流コストを削減しDXを推進しよう

物流コストの削減は、製品の品質を高めて売上向上を図ることや、製造にかかるコストなどを下げることと同様、企業にとって収益を上げるための重要な取り組みです。まずは物流コストについての基礎知識を身につけ、今回紹介した取り組み例などを参考に、物流コスト削減を図ってみてはいかがでしょうか。

なお、物流・出荷業務の効率化とコスト削減を支援するユーザックシステムの名人シリーズ製品については、詳細資料がありますのでぜひご覧ください。名人シリーズは、基幹システムや業務システムと柔軟に連携可能ですので、デジタライゼーションやDX推進の役に立ちます。

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