週末の花屋が見つけた「生成AIとのやさしい関係」実践ブログ:第1回

AIと花。まったく別の世界のようでいて、似ているところもある

こんにちは、DXGO編集部&ユーザックシステム マーケティング本部の大崎です。

今回の実践ブログは、これまでのマーケティング(ビジネス)寄りのシリーズとは少しトーンを変えて、全4回でお届けする“花と生成AI”の小さな実験記です。

私は平日、デスクワーク中心の仕事をしていますが、週末は花を束ねています。
季節ごとに仕入れた花を整え、人に届ける。
そんな時間が、私にとって心を整える大切なひとときです。

花を扱う仕事の中で、生成AIというテクノロジーと向き合うようになって、
「感性とAIは、本当に違うものなのだろうか?」と考えるようになりました。
そんな問いが、このシリーズを始めるきっかけでした。

花とAI。
この二つの言葉を並べると、まるで対極の世界のように感じるかもしれません。
一方は自然の象徴であり、もう一方はテクノロジーの最先端。
けれど私は、この二つの世界に同時に触れてみて、「意外と似ているところがある」と感じるようになりました。

平日の仕事ではデータやロジックを扱い、
週末は花を見て、感じて、選びます。
どちらもまったく違うようでいて、根底には“観察”と“選択”という共通点があります。 花は、同じ種類でも一本一本、表情が違います。
茎の曲がり具合、花びらの開き方、色の濃淡。
その日の光の加減や湿度によっても、まるで別の花のように見えることがあります。
私はその微妙な違いを感じ取りながら、「今日はどんな組み合わせが心地よいだろう」と考えます。

自然光の中で花びらが少しずつ色を変える。
その一瞬の揺らぎに、AIの世界にも通じる“観察”の美しさを感じる。

それはまるで、AIが膨大なデータを分析して最適なパターンを導き出すような行為にも見えます。
違うのは、AIが“計算”で選ぶのに対して、人は“感じて”選ぶということ。
けれどその過程には、驚くほどの共通点があるのです。
どちらも、観察し、比較し、選び取る。
その積み重ねが、ひとつの「形」をつくり出します。

生成AIを使い始めたのは、ほんの些細なきっかけからでした。
花を発送する準備や撮影などで時間に追われ、
SNS投稿の文章を考える余裕がなくなっていたとき、ふと「AIに相談してみよう」と思ったのです。

最初は、少し抵抗がありました。
花の紹介文やメッセージを“機械”に頼るなんて、感性の仕事から離れてしまう気がしたからです。
正直に言うと、「自分の想いが薄まってしまうのでは」という不安もありました。
でも、実際に試してみると意外な発見がありました。

AIが提案してくる文章の中には、自分では使わないような言葉や表現がありました。
「そんな言い方もあるのか」と、まるで新しい視点を見せてもらったような感覚。
それは“教えられる”というより、“刺激を受ける”感覚に近いものでした。
もちろんそのまま使うことはありませんが、AIの言葉がヒントになり、
結果的に自分の言葉が磨かれていくような気がしました。

思えば、花を束ねるときも同じです。
花材を並べて、色や形のバランスを見ながら、少しずつ手を加えていく。
一度決めた組み合わせも、時間を置くと違って見えることがあります。
AIと文章をつくる過程にも、その「試行錯誤」の感覚がありました。

AIが提示する無数の可能性の中から、
今日の気分に合うものを選び取り、
整えて、自分の想いを添えていく。
その作業は、まるで花を束ねるようです。

最近、AIを使っていて感じるのは、
「AIもまた、人の感性を写す鏡だ」ということです。

同じ質問でも、聞き方を少し変えるだけでまったく違う答えが返ってくる。
それは、人が見る花の表情が、光や気分で変わるのと同じです。
AIは冷たい機械ではなく、
問いかける人の“観察の仕方”を映し出す存在なのかもしれません。

AIの進化は速く、できることも増えていますが、
どんなに便利になっても“感じる力”だけは人の領分です。
むしろAIの存在によって、
人の感性の繊細さや奥行きを再確認できるようになった気がします。

花を扱うようになってから、私は小さな変化をよく見るようになりました。
蕾がほころぶ瞬間、花の色が少し深まる午後の光、
そして花を受け取った人の表情。
AIの世界にも、その“小さな変化”があります。
言葉のトーンを変えるだけで、AIの返す答えが柔らかくなったり、少し優しくなったりする。
デジタルの中にも、ちゃんと“呼吸”があるのです。

花とAI。
まったく別の世界のようでいて、
どちらも“人が観察し、感じ取る力”の上に成り立っています。

私は今日も花を束ねながら、そして画面の前でAIに言葉を問いかけながら、
そのことをあらためて実感しています。
どちらの世界にも共通するのは、
「人が何を見て、何を感じ、どう選ぶか」ということ。

それは、どんな仕事にも、どんな技術にも通じる普遍的なテーマなのかもしれません。

次回は、「忙しさの中で気づいた、AIの“やさしい力”」についてお話しします。

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DXGO編集長:大崎の実践ブログ

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