第3回はこちら→ChatGPTで何ができる?今日から使える実務ワザ!メール、調査、企画、要約、表作成など
今回は、ChatGPTが果たす役割について述べていきます。中堅・中小企業が直面しがちな経営課題に、「人手不足」や「属人化」、「ノウハウ継承の難しさ」があります。ChatGPTはこうした課題解決にも一役買う可能性があります。
「ChatGPTでできること:幅広い活用例
- 人手不足の緩和:
少人数で業務を回している企業では、一人の社員が何役もこなしており常に時間が足りない状態です。ChatGPTはそのような現場に“もう一人のアシスタント”を追加するイメージで活用できます。
例えば、問い合わせ対応に追われている担当者に代わって、ChatGPTがよくある質問への回答案を提示し下書きを作成すれば、担当者はそれをチェックして送るだけで済みます。同時対応が難しかった業務も、AIの力を借りることで24時間・複数同時に処理するといったことも可能です。結果として、一人あたりの負担が減り、少ない人数でも回せる業務範囲が広がります。
- 属人化の解消:
特定のベテラン社員だけが知るノウハウや手順に頼っている状態を放置すると、その人が不在のときに業務が滞るリスクがあります。ChatGPTはマニュアル作成やナレッジの整理にも役立つため、業務知識の見える化に貢献します。実際に、従業員20名規模の製造業A社ではChatGPTを使って業務マニュアルを自動作成した結果、従来1週間かかっていた手順書作成が1日で完了するようになりました。
このA社では「ChatGPTが下書きを作成し、人間が現場の知見を加えて微調整する」形で質の高いマニュアルを短期間で整備できたといいます。このように属人的な作業を仕組み化し誰でも実行できる環境を整えることで、業務の継続性と品質安定化につながります。
- ノウハウ継承・人材育成:
中小企業ではベテランの持つ職人的スキルの継承や、新人育成が課題になることも少なくありません。ChatGPTは教育の場面でもサポートできます。新人社員が不明点をChatGPTに質問して基礎知識を学んだり、熟練者の経験談をもとにChatGPTでQ&A集を作成するといったことも可能です。
先述のようにマニュアル作成を効率化すれば、教える側と教わる側双方の負担が減り、結果として習熟度が上がるでしょう。
また、ある企業では社内チャットツールにChatGPTを連携し、“社内AIヘルプデスク”として社員からの定型質問に自動応答させる仕組みを導入しました。その結果、日常的な問い合わせの6割以上をAIが処理し、バックオフィス部門の負担が大きく軽減されたそうです。このようにChatGPTを活用すれば、人が人に教える余裕がない部分をAIが補完し、社内のナレッジ共有や人材育成の下支えとなってくれるでしょう。
以上のような形で、ChatGPTは人手不足や属人化といった中小企業ならではの悩みに対しても、現場を助ける「便利な相棒」になります。
実際、ChatGPTの登場によって中小企業でも業務改善が進み、限られたリソースを最大限に活用する手段として大きな注目を集めている状況です。
にもかかわらず、ある調査ではChatGPTを「積極的に活用している」と答えた中小企業経営者はわずか3.7%と、大企業の21.8%に比べてまだまだ少数派でした。個人の生産性向上の恩恵が大きい中小企業こそ、ChatGPTを活用しない手はないと言えるかもしれません。
今回は、いくつかケーススタディ的に実践例をお伝えしましたが、次回はもう少し詳しくChatGPT活用事例を紹介します。
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