RPAによるWebEDI自動化に失敗しないためのポイントとは

私がWebEDIの自動化にはじめて携わったのが2004年。以降、多数のWebEDI自動化に携わってきました。そこで、今回はRPAでWebEDIを自動化する際に、失敗しないためのポイントをまとめました。

1.RPAでWebEDIを自動化するポイント

WebEDIの操作手順の多くは、サイトに「ログイン」して「メニュー」をたどり、日付や分類等の「条件」を入力して「データを取得」します。また、受注に対して出荷や請求情報などを返信する場合には「データを登録」する必要があります。WebEDIのサイトによって項目名やサイトの構成はちがいますが、操作内容はほぼ同じはずです。

これらの操作をRPAで自動化する際の注意点は、WebEDIの画面が取引先の都合で項目追加や見栄えの変化が多いことです。従って、メニューやボタンなどの画像を認識させて自動化すると、かなりの頻度でエラーが発生するという問題があります。そのため、サイトのレイアウト変更など、表面的な変化に影響されない、タグと言われる内部的な情報を認識して自動化する必要があります。

つまり、WebEDIの自動化には、タグ情報の認識や指定が簡単におこなえるRPAが向いているのです。

2.WebEDIの業務全体自動化に必要なこと

そして、WebEDIに関連する一連の業務全般を自動化するためには、自社と取引先のデータ形式を一致させるためのデータ変換や販売管理や物流システムなど上位システムとの自動連携も必要となります。

取引先毎に異なるデータをExcelに読み込み、自社システムへコピペする方法でも自動化が可能かもしれませんがお勧めはしません。データ連携専用のツールを利用する方がより確実です。マクロを組む方法もありますが、後々、マクロの修正が必要となった場合、マクロを組んだ方以外は対応できない、いわゆるブラックボックス化してしまうことが懸念されます。

3.実際の運用方法を考える

WebEDIの受信作業はいつおこなうでしょうか。基本的には、毎日決まった時間に受信するはずです。そのため、指定した時間になればRPAがWebEDIを自動実行するよう予めスケージュールを設定しておきましょう。

自社システムへの連携まで自動化しておけば、夜間や早朝に受信しておくと、出社したら即出荷作業にかかれます。ここで気を付けるべきポイントは、途中でエラーが発生しRPAが止まっていたら?という点です。

夜間に受注データの取り込みが完了している予定なのに、出社したらエラーが発生し止まっていた。そのため、出荷が間に合わないようでは困ります。あとの業務に支障がないように、自動実行のシナリオのエラーが起きにくい作りにしておきましょう。

WebEDIの特性上、ネットワークの不具合や取引先側でのデータセットのミスもありえます。そのため、トラブルが起きた場合のことも考えてシナリオの設定を進めましょう。例えば、エラーが発生した場合はリトライする。そして管理者へのメール通知やエラー時はその処理をスキップし、次の処理を進める設定にしておくと良いでしょう。

4.WebEDI自動化 運用の工夫

一方、RPAにすべてをまかせっきりでいいわけではなく、一定の管理は必要です。以前実際にあった話ですが、ある企業がWebEDIを自動化して2カ月ほど経ったころ、取引先から「Webのトップページに案内した件、おたくだけ連絡が無いんだけど」と言われたそうです。RPAで自動化したため、WebEDIの画面を誰も見ていなかったことが原因でした。この企業では、以降週1回はWebEDIの画面を確認するというルールを作りました。その他にも、WebEDIの操作方法を忘れないために、月1回はあえて手動で操作を行うというルールを作られた企業もあります。

運用上、「毎週注文があるはずなのに今日は注文が入っていない」「作業の準備をするために受注件数を早い段階で知りたい」という情報も把握しておきたいところです。そのためには、重要な情報をいかに確認するか、その方法も自動化しておくとよいでしょう。EDI業務全体を管理するシステムがあれば、連携させることも可能です。また、受注件数をカウントして通知すること、データが「0件」の場合など、異常値が発生した場合の対応方法も検討しておきましょう。

5.まとめ

RPAによるWebEDIの自動化は、単純に処理をRPAに置き換えれば良いだけでなく、「受注業務を自動化する」という観点で、必要な機能・運用を盛り込むことが大切です。受注業務をRPA化する際は、業務フォローの見直し、標準化、不足の事態の対処方法もあわせて検討してください。

・WebEDIを自動化する際は、画像認識ではなく、安定稼働が可能なタグ情報を使いましょう。
・WebEDIの業務全体自動化には「データ変換」「システム連携」「スケジューリング」が必要です。
・WebEDIの自動化では、実際の運用を考慮して、業務をきちんと回すための工夫が必要です。