第1回はChatGPTとは何か?を解説しました。第2回は、ChatGPTを活用するメリットを見ていきます。
第1回の記事はこちら
ChatGPTを活用するメリット
中堅・中小企業がChatGPTを業務に取り入れることで具体的にどのようなメリットが得られるのかを見ていきましょう。ポイントとなるのは大きく以下の4つです。
- 業務効率の大幅向上:
ChatGPTは市場調査から文章作成まで多くの作業を自動化・迅速化できます。社員がこれまで何時間もかけていた資料作成や情報整理が数分で完了すれば、その分生産性が飛躍的に向上します。
例えば、社員が毎日3時間費やしていた定型業務をChatGPTで代替できれば、週あたり約15時間もの時間短縮になり、単純計算で個人の生産性が1.5倍にもなるという試算もあります。
人手不足に悩む中小企業ほど、一人ひとりの労働時間を有効活用することが重要ですから、ChatGPTによる効率化のインパクトは非常に大きいと言えます。
- コスト削減:
業務効率が上がることは、人件費や外注費の削減にもつながります。ChatGPTは月額数千円程度(有料版のChatGPT Plusでも20ドル)で利用でき、「月数千円で専門アシスタント級の働き」をしてくれるとも言われます。新たに人員を増やしたり高額なソフトを導入したりしなくても、既存の従業員+ChatGPTで業務量をこなせるようになればコストパフォーマンスは抜群です。
実際、マーケティング支援を行うナイル株式会社では、全社員にChatGPT有料版(GPT-4)の利用料を会社負担で提供したところ、生成AI活用によって社内業務の30%削減が見込め、年間数億円規模のコスト削減効果につながると発表しています。
➡ナイル株式会社、ChatGPT含む生成AI活用で社内業務の30%削減を見込み、「Nyle Generative AI Lab」を発足 - 時間の創出と有効活用:
単なる効率化やコスト面だけでなく、ChatGPTは「時間を生み出す」点でも価値があります。単調な作業に費やしていた時間を削減できれば、社員は浮いた時間をより付加価値の高い業務に充てることができます。
例えば、ChatGPTが見積書作成や問い合わせ対応の下書きをしている間に、社員は顧客との商談や新商品の企画などに集中できるでしょう。
ある中小企業では、ChatGPT導入により毎週15時間分の業務が削減され、その時間を営業活動に振り向けた結果、新規商談の獲得数が増加したという報告もあります。このように、創出された時間を戦略的に活用することで、結果的に企業全体の成長スピードを上げることが期待できます。
- 売上・ビジネス機会の向上:
ChatGPTはマーケティングや営業の面でも力を発揮します。例えば、提案書やプレゼン資料の作成時間が短縮されれば、営業担当者はより多くの商談機会を持つことができますし、内容の質も向上します。また、SNS投稿文や広告コピーを素早くブラッシュアップして発信できれば、自社商品のプロモーション効果も高まるでしょう。
さらに、ChatGPTを使ったアイデア出しによって新規事業や商品アイデアが生まれ、売上向上に直結した例も考えられます。ChatGPTは単なる効率ツールに留まらず、ビジネスチャンスを拡大するパートナーにもなり得るのです。
以上のように、ChatGPTを上手に活用することで「速く安く良い仕事」を実現でき、ひいては収益性の向上や競争力強化につながります。特に大企業に比べ人材や予算が限られる中堅・中小企業にとって、ChatGPTは味方にすれば非常に心強い存在と言えるでしょう。
次回は、ChatGPTで何ができるか?活用例をお届けします!
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