RPAの運用ルールはなぜ重要?策定のコツや最適化のポイントを解説
RPAの効果を最大限に発揮するためには、明確な運用ルールの策定が欠かせません。適切なルールがないと、運用に混乱が生じ、せっかくRPAを導入したにもかかわらず、かえって業務効率が低下するリスクもあります。
本記事では、RPAの運用ルールがなぜ重要なのかを解説するとともに、策定時のポイントや最適化のコツについても詳しく紹介します。RPAの導入を成功させ、業務効率を向上させたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
RPAの運用ルールを策定する重要性
RPAの運用ルールを策定することが求められる理由は、トラブル防止や問題発生時の迅速な対応、管理体制の強化、コスト削減など多岐にわたります。ここでは、3つの観点から、なぜRPAの運用ルールを策定する必要があるのかについて解説します。
RPAの運用ルールを策定することが求められる理由は、トラブル防止や問題発生時の迅速な対応、管理体制の強化、コスト削減など多岐にわたります。ここでは、3つの観点から、なぜRPAの運用ルールを策定する必要があるのかについて解説します。
トラブル防止と迅速な対応
RPA導入後のトラブルを防止し、問題発生時の対応を迅速化するためには、運用ルールの策定が欠かせません。
RPAで自動化する業務の範囲が拡大すると、システムやプロセスが複雑化し、想定外のエラーやトラブルが発生する可能性が高まります。そのため、あらかじめ対処法や責任の所在を明確に定めておき、問題発生時に迅速に対応できる環境を整えることが重要です。
運用ルールをしっかりと整備することで、トラブル発生時にも業務が停滞することなく、円滑に処理を進められます。
管理体制の強化
RPAを効果的に活用するためには、適切な管理体制の構築が不可欠です。ルールが曖昧だと、運用の整合性が崩れて効率が下がるだけでなく、業務全体に混乱を招くリスクがあります。
特に、複数のRPAを同時に利用している場合、それぞれのプロセスに対して明確な管理権限や監視体制を設定することが求められます。定期的なメンテナンスやプロセスの評価もルール化することで、運用が安定し、長期的に高い効果を発揮できます。
コスト削減
RPAの運用ルールを策定することは、コスト削減にも大きく貢献します。
適切なルールを策定していない場合、無駄な作業が増えたり、エラー対応に時間とコストがかかったりしやすくなります。効率的な運用を実現するためには、どのプロセスを自動化の対象とするのか、自動化をどのように維持するのかなど、細かいルールを明確にすることが重要です。
また、定期的な運用の見直しや改善策の導入もルールに組み込むと、無駄を省き、コスト効率を最大化できます。
RPA運用でよくあるリスクや課題
RPAの運用において、誤処理を見落としたり、野良ロボットが発生したりといった問題が発生する可能性があります。また、既存システムとの不整合が、業務効率の悪化につながることも考えられます。
ここでは、RPAの運用でよくあるリスクや課題を解説します。
誤処理を検知できない可能性
RPAは事前に設定されたルールに基づいて業務を自動化しますが、想定外のデータが入力された場合に、誤処理を検知できずにそのまま進行してしまうリスクがあります。
誤ったデータが入力されても手動で確認が行われず、自動で処理が進んでしまうため、後になってエラーが発覚し、大きな問題となる可能性があります。
運用中に発生する誤処理を検知しやすくするためには、監視体制を強化するとともに、異常を検知した際にアラートを発する仕組みを導入し、定期的なログのチェックや例外処理の見直しを行うことが大切です。
「野良ロボット」の発生
「野良ロボット」とは、ロボットを作成した担当者が異動や退職などで使われずに放置されていたり、管理されていないRPAプロセスを言います。
野良ロボットは運用の一環として正しく管理されていないため、勝手に動作していたり、突然エラーを引き起こしてトラブルを招くことがあります。また、セキュリティホールとなってサイバー攻撃を受ける原因となったりすることもあります。
また、標準化された運用ルールの枠外で稼働するため、他のプロセスとの整合性が取れず、業務の混乱を引き起こす可能性があります。
RPA導入時には、誰が、どのプロセスを管理しているかを明確にし、無秩序なRPAの作成・運用を防ぐためのルール策定が求められます。
既存システムとの不整合
RPAを導入する際に、既存の業務システムとの連携がうまくいかないケースも多く見られます。
特に、既存システムが古くなっていたり、大幅なカスタマイズが施されたりしている場合は、RPAのスムーズな動作に支障をきたすことがあります。
また、システムのアップデートや変更があった場合に、RPAが最新のバージョンに追従できず、不整合が発生するリスクも考えられます。このような課題を解決するためには、RPAと既存システムの相互連携を常に確認し、必要に応じてプロセスを見直すことが重要です。
RPA運用ルールを策定するための3STEP
一般的に、RPAの運用ルールを策定する手順は次のとおりです。
- RPA開発の基本ルールを定める
- 運用管理ルールを策定する
- 管理体制を整える
上記の手順について、詳しく解説します。
1.RPA開発の基本ルールを定める
まずRPA開発の基本ルールをしっかりと定めることが重要です。どの業務を自動化するかを選定した上で、どのようなRPAを開発するかを明確に定義する必要があります。
特に、業務フローの整理とRPA化の影響範囲を事前に把握しておくことで、運用中のトラブルを回避しやすくなります。
また、開発時には一貫性を持たせるための命名規則やコーディングのルールを設定し、将来的な保守・変更を容易に行えるようにすることが求められます。
2.運用管理ルールを策定する
RPAの効果を最大化するためには、運用中における管理ルールの策定が欠かせません。運用プロセスの監視方法や、問題が発生した際の対応手順を明確にしておくことが重要です。
また、定期的なメンテナンススケジュールの設定や、こまめなログ監視の仕組みを整えることで運用状況を可視化し、異常発生時に迅速に対応できる環境を構築できます。
さらに、運用ルールには改善プロセスを組み込み、定期的にRPAの効果や運用方法を見直す仕組みを取り入れることも大切です。
3.管理体制を整える
最後に、RPAの運用における管理体制を強化するための規則を整備します。RPAの開発や運用に関わるチームの役割と責任を明確に定義し、運用フロー全体の見直しや改善をスムーズに行える体制を構築しましょう。
また、運用における権限管理や、アクセス制御の仕組みを導入し、セキュリティリスクを最小限に抑えることも重要です。組織内の運用メンバーに役割を明確に割り振ることで、RPAの長期的な運用の安定性を確保しやすくなり、業務効率の向上やセキュリティの強化につながります。
RPA運用を最適化するためのポイント
RPAの運用を最適化するにあたって、部門間の連携強化や運用ルールの標準化・文書化が鍵を握ります。また、運用開始後も定期的に体制を見直し、最適化を図ることが大切です。
ここでは、RPA運用を最適化するために押さえておきたい4つのポイントについて解説します。
部門間の連携を強化する
RPAの効果を最大限に引き出すためには、導入部門だけでなく、他の部門との連携も重要になります。特に、業務が複数の部門にまたがる場合、RPAによる自動化が他の業務にどのような影響を与えるかを共有し、全体としての最適化を目指す必要があります。
部門間のコミュニケーションを活性化することで、RPAの運用がスムーズに進むだけでなく、トラブルが発生した場合にも迅速な対応が可能となります。
連携を強化するためには、部門間にまたがる定期的なミーティングや情報共有の場を設けることが効果的です。
運用ルールの標準化と文書化を徹底する
RPAの運用において、ルールの標準化と文書化は重要です。
標準化と文書化を徹底し、誰もが同じルールに基づいて作業を進められるようにすることで、運用するメンバーが変わったとしても業務の一貫性が保たれ、エラーの発生率も減少します。
また、標準化された運用ルールを文書にしてチーム内で共有し、プロセスの見通しを明確にしておくと、メンテナンスやトラブル対応もスムーズに行えるようになります。
文書化したルールは定期的に見直し、最新の状況に合わせて更新していくことが求められます。
定期的な運用見直しで最適化を図る
RPAは一度導入すれば終わりではなく、定期的に運用を見直して常に最適な状態を維持する必要があります。
導入当初は効果的であったプロセスでも、業務環境やニーズの変化により、改善が必要になるケースがあります。定期的な見直しにより、無駄なプロセスや不具合を洗い出し、必要に応じてプロセスを修正することで、運用効率をさらに高められます。
また、見直しの際には、実際に運用しているメンバーからのフィードバックを重視し、現場の課題を解決するための取り組みが重要です。
サポート体制が整ったRPAを導入する
RPAを効果的に運用するためには、信頼性の高いサポート体制が整ったRPAツールを選定することが大切です。
ツールの不具合や予期しないエラーが起こった時に、迅速に対応してもらえるサポート体制が用意されていれば、業務の停止時間を最小限に抑えられます。
また、サポート体制が十分に整備されている事業者のツールは、アップデートや機能追加に関しても次々と最新の技術を取り入れていく傾向にあります。
RPAの導入時には、サポート内容や対応スピード、応対品質などを確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
運用ルールと体制を明確化し、「稼働状況と投資対効果」を見える化へ
RPAを効果的に活用するためには、運用ルールの明確化が不可欠です。明確なルールを設けることで、誤操作や不具合のリスクを減らし、効率的に業務を自動化できます。
ただし、RPAは複雑な業務を自動化できる一方で、運用方法によってはエラーや業務停止などを引き起こすリスクが伴います。そのため、導入前に運用体制を整え、ルールを明確化し、責任の所在やトラブル対応の手順を明らかにしておかなければなりません。
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