RPAによるExcel(エクセル)業務の効率化について詳しく解説
Excelは、関数やマクロなどを活用することで、業務効率を大幅に向上できる便利なツールです。Excel単体でも業務効率化が期待できますが、RPAと組み合わせることにより、さらに生産性を向上できます。
しかし、RPAを用いてExcel業務を効率化するためには知識が必要です。
そこで、本記事ではRPAとExcelマクロの違いや、RPAを用いてExcelを使う業務を効率化する方法を紹介します。
「RPAとExcelマクロの違いって何?」
「RPAとExcelで具体的にどんな業務を効率化できるの?」
「実際の導入事例を詳しく知りたい」
このように考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
効率化できるExcel(エクセル)業務とは?
Excelで効率化ができる業務は、以下の通りです。
● 繰り返す業務
● 単調な業務
● 時間のかかる業務
繰り返す業務
データの集計・入力をするような繰り返し作業は、情報量が多ければ手間がかかってしまいます。また、手作業で行っていればデータの入力ミスや入力漏れなどのミスも起こりかねません。
何度も同じ内容を繰り返す作業は、ミスを防ぐためにも効率化が必要です。
単調な業務
資料を転記したり、情報の入力をしたりする単調な作業は、ひとつずつ手作業で入力していると膨大な時間がかかることもあります。また、単調な作業が続くと集中力が低下しがちになり、生産性が低くなる恐れもあるでしょう。
決まりきった単調な作業は自動化し、人は企画や分析などのクリエイティブな業務に時間をさけるようになります。
時間のかかる業務
同じフォーマットで作成したシートであっても、ルールや入力形式が異なればデータを連携させるのが難しくなってしまいます。そのため、あらかじめルールを決めて無駄を減らすように工夫する必要があります。
フォーマットが定型化されていない場合は、新しい専用のフォーマットを作成して定型化してしまいましょう。
RPAとExcel(エクセル)マクロの特徴と違い
ここからは、RPAとExcel(エクセル)マクロのそれぞれの特徴や、違いを詳しく見ていきましょう。
RPA
RPAとは、人がPC上で行う作業をロボットによって自動化できるツールのことです。業務の効率化や働き方改革につながるとして、注目を集めています。
RPAが得意とする作業は以下の通りです。
● データ入力・転記・照合
● システム管理
● Webサイトからの情報収集
● データのチェック など
RPAはオフィス内の幅広い業務を自動化できるため、業務効率向上や生産性向上に貢献します。
Excel(エクセル)マクロ
Excelマクロは、Excel上で行う処理を自動化できる機能です。
たとえば、売り上げデータ集計やグラフ作成を手作業で行っていたとします。マクロを使えば手作業で行っていたものをすべて自動化でき、マクロを実行するだけで集計やグラフ作成などが自動的に処理されます。
作業の自動化によって作業時間を大幅に短縮できるため、Excelマクロはエクセルで行う業務の効率化に貢献する機能のひとつです。
RPAとExcel(エクセル)マクロの違い
RPAとExcelマクロには、主に以下のような違いがあります。
RPA | Excelマクロ | |
作業範囲 | PCで行う作業全般 | Excel上で行う作業のみ |
プログラミングスキル | 不要 |
簡単な作業では不要 複雑な作業はVBA(マクロ用プログラミング言語)のスキルが必要 |
データの処理速度 | 速い | 遅い |
他システムとの連携 | 可能 | Excel上のみ可能 |
維持管理コスト | 月額5万円~100万円かかることもある | Excelが入っていればコストはかからない |
作業範囲
RPAもExcelマクロも定型化された作業を自動化する機能ですが、作業範囲に違いがあります。
RPAはPC上の作業全般を自動化できるのに対して、ExcelマクロはExcel上で行う作業のみ自動化できます。マクロ用プログラミング言語の「VBA」を活用した場合でも、自動化できるのはMicrosoft社のソフトを使った作業のみに限られます。
RPAはツールの種類によって得意・不得意な作業がありますが、さまざまなソフトやシステムを使った作業を自動化できるのがメリットです。
プログラミングスキル
基本的に、RPAはプログラミングスキルを必要としません。テンプレートがあったり、管理画面から簡単に操作できたりするなど、作業内容を設定しやすいことが特徴です。
一方で、マクロは簡単な作業内容であればプログラミングスキルは不要ですが、VBAを必要とするような複雑な作業の場合には専門的な知識が必要です。
ただし、RPAも万が一のトラブル対応やメンテナンスのことを考えて、プログラミングの知識があった方が不測の事態にも備えやすいでしょう。
データの処理速度
RPAは、デスクトップ型のツールであればPCのスペックに処理速度が左右されます。しかし、サーバー型やクラウド型であれば膨大なデータも高速処理できるものが多いです。
一方で、マクロはデスクトップ型RPAと同じく、Excelを使用するPCのスペックに処理速度が左右されます。PCのスペックが低ければ、処理速度の遅延や停止などのトラブルが発生する可能性もあるので注意しましょう。
他システムとの連携
RPAは、PC上で使用するさまざまなシステムやアプリケーションとの連携が可能です。たとえさまざまなベンダーのシステムが乱立している場合でも、データベース連携やAPI連携などで他システムとの連携が行えます。
一方で、マクロはMicrosoft社のソフトのみ連携できます。
維持管理コスト
RPAは、導入や維持管理にコストがかかります。ツールの種類によって異なりますが、月額5万円程度〜規模によっては100万円以上かかるケースもあるでしょう。
自動化できる範囲が広い場合は、維持管理コストは無視できません。
一方でマクロは、もともとExcelに搭載されている機能なので維持管理コストはかかりません。
RPAとExcel(エクセル)の連携
さまざまなメリット・デメリットがあるRPAとExcelマクロですが、システムを連携させることでお互いのメリットを最大限に活かすことができます。
連携することで、以下のような作業が行えるようになります。
● RPAでExcelに転記
● 定型処理を自動化
● 複雑処理はマクロも絡めて自動化 など
マクロで自動化できるのはExcel内の作業だけであり、データ入力や転記は手作業で行わなければいけません。しかし、RPAと連携することでExcelへのデータ入力(転記)を自動化できます。
そして、Excel内で特定のルールに従って処理される定型作業は、RPAで自動化が可能です。定型作業を連続して行う場合も自動化できるので、業務負担が軽減します。
なお、RPAは複雑な処理が苦手なため、自動化が難しいケースもあります。しかし、複雑な処理をマクロで組んでいる場合は、マクロの実行をRPAで自動化することが可能です。RPAだけでは難しい複雑な処理であっても、問題なく自動化できるようになります。
このように、RPAとマクロのお互いの機能が作用することにより、より機能性や効果を高めることが可能です。
Excel(エクセル)業務における導入事例
ここからは、Excel業務におけるRPAの導入事例を詳しく見ていきましょう。以下2つの業務での事例を紹介します。
● 複雑なExcel処理を自動化
● Excelデータを汎用フォーマットへデータ変換
複雑なExcel処理を自動化
株式会社ソルクシーズでは、人材派遣事業のデータ管理業務を自動化する目的でRPAを導入していましたが、複雑なExcel処理を行う部分は自動化できずにいました。
しかし、ユーザックシステムの「Autoジョブ名人」を導入することで、複雑なExcel処理の自動化に成功。ほかの業務を中断する必要がなくなり、業務に集中しやすい環境づくりが行えています。
Excelデータを汎用フォーマットへデータ変換
国分ビジネスエキスパート株式会社では、月に5,000〜7,500ファイルほどのExcelデータを、手作業で汎用フォーマットへデータ変換していました。特に月末と月初には他業務とも重なり、大きな負担となっていました。
そこで、ユーザックシステムの「Autoメール名人」を導入。データ変換作業の自動化に成功し、業務負担を軽減できました。
RPAによるExcel業務の効率化をお考えの方に
「Excel業務をさらに効率化したい」「働き方改革を進めたい」とお考えの企業様には、RPAの導入がおすすめです。RPAとExcelを組み合わせることにより、より機能性や効果を高められます。
ユーザックシステムの「Autoジョブ名人」は、Excel業務の自動化実績が多数あります。プログラミングの経験がなくても、RPAシナリオの作成画面が使いやすいと好評です。シナリオ作成のサンプル動画だけでなく、不明な点は気軽に質問できるコミュニティも用意していますので、RPAの活用に不安がありません。
Autoジョブ名人について→
Autoジョブ名人の操作レシピはコミュニティ(要アカウント登録)で公開→
シアターでもレシピの一部がご覧いただけます→
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