メール自動化で安全在庫数を管理
業務スタイル改革で営業効率向上
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- 商品在庫の管理は各営業担当者個人に委ねられており、多品種・小ロット、急生産・急出荷などの性格上、ロスや煩雑さが生じていた。
- 担当者によっては出張が重なるなど自ら確認することが難しい者も多く、いかに製造現場の情報を営業の現場と共有するかが課題となっていた。
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- 安全在庫数、出荷予定数、製造依頼などの情報を毎朝9時に担当者へ自動送信されるようになった。
- それまで属人的要素が強く、個人の裁量に任されていた在庫確認が自動化された。
効果の出るIT活用術
ユーザックシステム「名人」シリーズ導入事例②
高発泡ポリプロピレン(PP)シート「パルファイン」などを活用した食品プラスチック容器の企画・製造・販売を手掛ける(株)ギンポーパックは、ユーザックシステムの「Autoメール名人」の導入で業務スタイルを改革、営業効率の向上を実現している。製造工程から在庫照会までをBIツール(業務システムなどに蓄積された膨大なデータを蓄積・分析・加工しまとめるもの)との連動で、毎日営業担当者に自動配信することで、安全在庫数を管理。業務工数の削減で欠品の予防と本業への専念を可能にしている。
「当社は細やかな対応が得意。短納期・小ロットへの対応や、メニュー開発から金型製造、製品の梱包や出荷までお客さま目線に立った、小回りの利く営業を行っている」と、横関優一経営管理部情報システムチームリーダーは語る。その一方で、商品在庫の管理は各営業担当者個人に委ねられており、多品種・小ロット、急生産・急出荷などの性格上、ロスや煩雑さが生じていた。
当初はシステム上在庫、出荷実績、受注残、製造依頼、製造工程などの事項ごとに端末からの照会が必要だったため、BIツールを導入し一覧性の高いデータ閲覧を取り入れた。しかし、担当者によっては出張が重なるなど自ら確認することが難しい者も多く、いかに製造現場の情報を営業の現場と共有するかが課題となっていた。
そこで同社では昨年からAutoメール名人とBIツールを組合せることを開始。安全在庫数、出荷予定数、製造依頼などの情報を毎朝9時に担当者へ自動送信する。エクセルデータ添付ではファイルを開かない担当者もいるので、抽出したデータを本文にテキストで貼付け送信することもこだわりの仕様だ。
横関チームリーダーは、Autoメール名人を導入したことで「仕事のスタイルが変わった」と分析する。それまで属人的要素が強く、個人の裁量に任されていた在庫確認が自動化されたことで、欠品によるクレームへの対策、さらに工場との連動が実現した。今後は応用範囲をさらに広げ、現在FAXでやり取りされる工場からの出荷伝票のメールへの転換などを進めていきたい考えだ。
(株)ギンポーパックは、商品保護を基本にする「フードパック」や、盛りつけの美しさを保つ「ギンパック」などを大手製パンメーカーやCVSに供給する。中でも、パルファインを使った耐熱・耐油性に優れた容器は、高温レンジアップ商品に対応することから、利用の幅が広がっている。業界に先駆けて「提案型営業」を導入しており、調理済み食品・中食市場の拡大に伴ってニーズ開拓から設計、提案、製造・納品までを一括して行っている。
日本食料新聞社 小澤 弘教 氏
-当事例について-
当事例は、日本食糧新聞に掲載された記事「効果の出るIT活用術」を転載しています。同記事は、ユーザックシステムが提供する「名人シリーズ」などの商品・ソリューション導入事例を毎月1回、全10回にわたってレポートするものです。