RPAとアウトソーシングを徹底比較!受注業務の自動化メリットを解説
受注業務の効率化は、企業の収益や顧客満足度の向上に直結する重要なプロセスです。しかし、手作業による処理が中心になっている現場においては、受注業務に過大な時間と労力を要していることが少なくありません。
このような背景から、受注業務の自動化が注目されています。自動化を進める方法にはRPAやアウトソーシング、人材派遣会社などがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
本記事では、受注業務の自動化におけるRPA・アウトソーシング・人材派遣会社の違いを比較し、どの自動化方法が効果的な選択肢なのかを追求していきます。
受発注管理は、顧客からの注文を効率的かつ正確に処理するための重要な業務です。通常、受発注管理業務は次のような流れで進んでいきます。
■一般的な受発注管理の流れ
- 顧客による商品注文
- 注文内容の確認
- 在庫確認・商品確保
- 受注処理・発注手配
- 配送準備
- 納品・請求
- アフターサポート
- データ分析(必要に応じて)
顧客からの注文を受け取った企業は、注文内容をもとに在庫の有無をチェックし、必要に応じて商品を調達します。その後、受発注システムへのデータ入力等を行い、商品の配送を手配します。
商品が顧客に正しく納品された後は、請求書を発行し、必要に応じてアフターサポートを提供します。
必要に応じて受発注システムに蓄積した購買データや顧客データを分析すると、今後の売上向上や顧客満足度の向上につなげるためのヒントを得ることも可能です。
受発注管理業務でよくある課題としては、次のようなものが挙げられます。
- ヒューマンエラーによるデータ入力ミス
- 注文処理の遅延による顧客満足度の低下
- 繁忙期と閑散期の差が激しい
ここでは、上記の3つのよくある課題について詳しく解説します。
ヒューマンエラーによるデータ入力ミス
ヒューマンエラーによるデータ入力ミスは、受発注管理における避けて通れない課題のひとつです。
手作業による注文情報の入力は、商品名や数量の誤入力、在庫の不一致、配送先の誤りなど、さまざまなミスを引き起こす可能性があります。特に商品の取り違えや配送ミスは、顧客満足度の低下に直結し、企業の信頼性やブランド力を低下させる深刻度の高いミスです。
データ入力ミスを防ぐためには、データチェック体制の強化やRPAをはじめとした自動化ツールの導入などの対策が必要です。
注文処理の遅延による顧客満足度の低下
注文から配送までの一連の手順が複雑すぎると、注文処理に時間がかかって納期が長くなり、顧客満足度の低下を招く可能性があります。
顧客からの信頼を維持するためには、業務フローの見直しや改善、効率的なコミュニケーションチャネルの検討、受発注システムの更新など、積極的な対策が求められます。
また、顧客に対するフォローをこまめに行い、進捗状況を定期的に伝えることも大切です。
繁忙期と閑散期の差が激しい
繁忙期と閑散期の差が激しいと、適切な人員配置やリソースの確保が困難になりがちです。
繁忙期に合わせて常に多くの人材を確保しておくとコストが膨らみますが、閑散期に合わせて少ない人員で運営しようとすると、受注量が増えたときに必要なリソースをスムーズに確保できない可能性があります。
繁閑の差に対応するためには、業務の自動化やアウトソーシング、柔軟性の高い人員配置計画の策定などが有効です。また、過去のデータを分析して、需要予測をより正確に行い、リソースの最適化をはかることも重要になります。
受注業務の課題を解決するためには、アウトソーシングや人材派遣会社を活用するほか、RPAを導入して業務を自動化する方法が考えられます。それぞれの特徴を知り、自社に合った方法を選択することが大切です。
ここでは、受注業務の課題を解決する3つの方法について詳しく解説します。
アウトソーシングを活用する
外部の専門業者へ業務を委託するアウトソーシングは、受注業務を効率化するためによく用いられる手段のひとつです。
アウトソーシングを活用することで、定型業務に割り当てていた自社のリソースを解放し、より生産性の高い業務に集中できるようになります。従業員の作業負荷も軽減できるため、労働時間の削減など、働き方改革推進の面でも有効です。
また、専門性の高いスキルを持ったスタッフが対応するため、品質向上にも貢献します。一方で、アウトソーシングを始める際の業者選定や契約内容のすり合わせ、品質管理の基準設定など、事前の準備に手間と時間がかかる点はデメリットです。
人材派遣会社を利用する
社内で特定のスキルが必要な場面や、人員が不足している部署がある場合は、人材派遣会社を利用するのも選択肢のひとつです。
人材派遣会社を通じて専門的な知識を持った派遣社員を短期間で確保できるため、内製で業務を処理したい企業にとって、柔軟なリソース確保と品質の維持につながります。また、実施期間が決まっているプロジェクトへの参画に必要なリソースを速やかに確保できる点も魅力です。
しかし、派遣社員を有効に活用するためには、自社業務を理解してもらうための適切な教育とサポートが必要であり、内部の従業員とのコミュニケーションも重要になります。
RPAを導入する
RPA(Robotic Process Automation)の導入は、社内のリソースを増減させることなく、受注業務の自動化と効率化を完結させるために有効な手段です。
RPAを活用することで、注文確認やシステムへのデータ入力、在庫の自動引き落としなど、これまで人間が行っていた定型業務を自動化できます。人間による処理から機械による処理に移行するため、ヒューマンエラーを削減するとともに、業務の処理スピード向上にもつながります。
前述のように、受注業務の自動化方法として、アウトソーシング、人材派遣会社、RPAの主に3つの選択肢があります。そこで、下記の表に3つの方法のメリットとデメリットをまとめました。
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アウトソーシング |
人材派遣会社 |
RPA |
メリット |
・内部のリソースを解放できる ・専門性の高いプロが担当するため品質向上につながる |
・短期間での人材確保が可能 ・期間が決まっているプロジェクトなどで利用しやすい |
・内部のリソースだけで自動化を完結できる ・24時間稼働し続けられる ・低コストの製品も選べる |
デメリット |
・事業者選定や契約内容の調整に時間がかかる ・専門性の高い業種の場合は自社の業務を扱える業者の選択肢が狭い |
・専門性が低い人材しか契約できない場合もある ・繁忙期などの需要が集中する期間は市場が人手不足でコスト増になりがち |
・シナリオの作成に時間を要する※ |
アウトソーシングは、内部リソースを解放し他の業務に集中できることや、専門性の高いプロが担当するため品質向上につながりやすいというメリットがあります。一方で、事業者選定や契約に時間がかかり、手間とコストが増大するリスクもあります。
人材派遣会社は短期間での人材確保が可能ですが、専門性が低い人材しか確保できなかったり、繁忙期など需要が高まる時期には市場が人手不足になりやすく、単価が上がりやすかったりするデメリットも考慮しなければなりません。
これに対し、RPAは自社の受注業務を内部のリソースだけで自動化し、人材不足の問題を回避しつつ、比較的低コストで導入できる点がメリットです。RPAに作業手順を指示するためのシナリオ作成にはある程度の時間を要しますが(※)、ユーザックシステムのRPA「Autoジョブ名人」では、そうした時間をかけずに自動化することが可能です。受注業務の豊富な自動化実績をもとに開発した、WebEDIでの受注業務シナリオテンプレートや、シナリオ作成支援をするロボ派遣サービスを提供しています。
WebEDIの業務自動化標準シナリオ提供:名人マーケット
ロボ派遣サービス紹介ページはこちら
詳しくはオンライン相談へ(製品名はAutoジョブ名人を選択ください)
以上の面から、3つの方法を総合的に考慮すると、RPAの導入が受注業務の効率化において最もおすすめの選択肢です。
RPAで受注業務を効率化するメリットとして、コスト削減や業務効率の向上、エラー発生率低減と品質管理の強化、柔軟なリソース活用の実現などが挙げられます。
ここでは、3つのメリットについて詳しく解説します。
コスト削減と業務効率の向上
RPAを導入するメリットのひとつとして、コスト削減と業務効率の向上が挙げられます。RPAは人間の代わりに機械が業務を処理するため、人件費をはじめとした経費削減が期待できます。
また、RPAは速度にばらつきの少ない安定的な作業を24時間365日継続できるため、業務処理のスピード・精度が向上する点もメリットです。これにより、企業は受注から発送までの期間を短縮できるため、顧客満足度の向上につながります。
エラー発生率低減と品質管理の強化
RPAによる業務自動化は、エラー発生率の低減と品質管理の強化に大きく寄与します。
手作業によって発生するヒューマンエラーは、注意散漫や疲労に起因して発生しがちです。そのため、RPAの導入によって機械が業務を処理する体制に切り替えることで、ヒューマンエラーを削減できます。
ヒューマンエラーの削減は業務品質の向上にも貢献し、品質管理の強化が実現します。また、定期的な業務プロセスの監視・改善が容易になるため、持続的な品質向上にもつながります。
柔軟なリソース活用の実現
従業員のリソースをより重要性の高い業務に割り当てられるようになることも、RPAのメリットのひとつです。
定型業務をRPAに任せることで、従業員は営業活動や新商品の開発、マーケティング戦略の策定など、より戦略的かつ人間の判断を必要とする業務に専念できるようになります。
リソースの再配分が可能になれば、企業は新たな販売機会の創出や顧客の深耕、ブランド戦略の強化、顧客満足度の向上など、さまざまな成果向上のための施策に取り組めます。
RPAで受注業務の自動化を進めるときは、既存の参考事例が参考になります。そこで、RPAで受注業務の自動化を実現し、高い成果を上げた2つの事例を紹介します。これから受注業務の自動化に取り組みたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社フランソア
九州で広く知られるパンメーカーの株式会社フランソアは、受発注管理の自動化に成功した企業のひとつです。同社は異なるWeb-EDIシステムを持つ100社近い取引先との間で、受注管理業務を効率化するためにRPAの「Autoジョブ名人」を導入しました。
Autoジョブ名人の導入により、かつてはオペレーターによる手作業が必要だった数多くの繁雑な作業が自動化され、エラー件数が以前の1/3に減少するなど業務効率が大幅に向上しました。
特に、スクリプトの管理が容易になった点は大きなメリットだと感じています。従来は専門知識を持ったスタッフが手作業で運用中の自動化プログラムを修正・変更していましたが、RPA導入後はプログラム言語の知識がなくても簡単に社内の業務改善が可能になりました。
WebEDI・メールEDI/RPA導入事例 | 株式会社フランソア 様 | ユーザックシステム
https://www.usknet.com/jirei/francois/
モランボン株式会社
食品製造業のモランボン株式会社は、30年以上にわたって長期的な使用と追加開発を重ねた結果、旧システムの運用が属人化し、プログラムがブラックボックス化しているという課題を抱えていました。
そこで同社はEDIシステムのオープン化を決定し、ユーザックシステムの「EOS名人.NET」を導入してEDIシステムを完全に刷新しました。
加えて、業務プロセスのさらなる効率化を目指し、受注業務を自動化するためにRPAの「Autoジョブ名人」の導入を決定しています。Autoジョブ名人の導入により、取引先からの発注データを自動でシステムに取り込めるようになり、受注処理のスピードアップと社内のリソースの有効活用が可能になりました。
モランボン株式会社 様 | ユーザックシステム
https://www.usknet.com/jirei/dx_moranbong/
アウトソーシングや人材派遣も特定の状況やニーズには適した選択肢であり、短期間で専門スキルを必要とするプロジェクトや、繁忙期の一時的な人員増強に有効です。しかし、長期的な視点で考えると、RPAのような自動化ソリューションが効率化とコスト削減を実現する上でより適していると言えるでしょう。
RPAを導入するなら、専門知識がなくても直感的な操作が可能な「Autoジョブ名人」がおすすめです。受注業務に強いスタッフが稼働まで徹底サポートするため、初めてRPAを利用する方でも安心してご利用いただけます。
Autoジョブ名人の詳しい資料は以下のリンクからお申込みください。事例集もあわせてダウンロードできます。