株式会社アンフィニ 様

SKU管理を強みに同業他社と差別化
作業の平準化や社員の働き方改革にも「EOS名人.NET」が貢献

ソリューション:
  • 受発注
対象製品:
  • EOS名人.NET
業種:
  • 卸売業

事例(PDF)

主力商品の「毎日ぱんつ」

アパレル製品の中で、価格が安い割に、サイズやカラーなど展開品番数が多いインナーウェア(下着)。東大阪市の女性下着企画・卸の株式会社アンフィニ(以下、アンフィニ)は、「これからの時代、ディスカウンターや地方の低価格量販店が伸びる。低価格商品であってもSKU*管理が必要」と見越し、「EOS名人.NET」を導入した。アンフィニの年商は約3億円。同規模の同業他社でシステム投資ができている企業は少ない。そんな中で、「EOS名人.NET」を導入した結果、元々の狙いであったSKU管理と効率的な出荷作業はもちろん、社員の働く環境にも改善をもたらした。システムの運用やメンテナンスなどを一手に担うアンフィニの河野晋平代表取締役社長に聞いた。

*SKU・・・ストックキーピングユニット (Stock keeping Unit)の略。在庫管理上の最小の品目数を数える単位を表す。

ユニークな製品名はおしゃれなオフィスから生み出される

1981年に創業したアンフィニは、女性用のショーツやガードルなどを主力商品に、量販店や小売店、ディスカウントショップなどに卸売りをしている。 アンフィニの商品企画の根底には、「お客様が楽しみながら、買い物をして欲しい」(河野社長)という思いがある。それは展開する商品名にも表れている。親しみやすいネーミングのデイリーショーツ「毎日ぱんつ」、伸びの良い素材を使って締め付けない快適パンツ「ぐで町子」、履くと〝大和撫子〟のようなきれいな姿勢になれるガードル「撫子研究室」、骨盤サポートガードルの「骨盤正ス!!」などが主力商品だ。こうした商品は〝高品質・低価格〟を強みに、ロングセラー商品となっている。

自社開発機能が決め手

ノート片手に導入前の課題を話す河野社長と伝票チームの皆様

インナーウェアの卸売り企業は、「問屋向けにまとめて仕入れ、まとめて出す」ことが多い。アンフィニも先代社長の時代は、1000円を超えるような高価格帯商品はSKU管理をしていたが、それより安い価格帯の商品はSKU管理をしていなかった。ただ、河野社長は、これからはディスカウンターや地方量販店と直接取引をすることが必要と考え、すべての商品をSKU管理できないか模索していた。また、売り上げ拡大ではなく、利益を出す体質に改善するためには、物流の効率化が欠かせないことも、システム見直しを進める後押しとなった。先代社長の時代の受注システムはオフコンだった。「自社で開発できる余地が少なく、既存システムのままでSKU管理しようとすると、明細や伝票の数が膨大になり、伝票を担当するスタッフの仕事量が大幅に増えてしまう懸念」(河野社長)があった。新規取引先が増えるたびにベンダーにカスタマイズを依頼すると、高額なコストがかかってしまうことも課題だった。

そこで目を付けたのがマッピング機能を備えた「EOS名人.NET」だった。比較した他のシステムではあまり提供していない自社で開発ができるというところに大きな魅力を感じ、資料を請求した。 「EOS名人.NET」導入の決め手は、「思っていた通りの自社開発のしやすさ」(河野社長)だった。河野社長自らユーザックシステムが提供している開発指導講習を受け、試行錯誤をしながら開発を進めた。 旧システムの時は、〝システムに合わせて人が動く〟という矛盾ともいえる事態がしばしば発生していた。必要な資料を別途作成したり、それぞれの部署が独自のフォーマットで資料を作ったりと、余計な手間と時間がかかっていた。「EOS名人.NET」を導入してからは、「欲しい情報を取り出すことが容易になり、共有データをもとに、効率的に動ける」(河野社長)ようになった。 発注段階で欲しい情報がない場合も、「EOS名人.NET」にある「商品マスタ」から必要な情報を参照・取り出し・保管ができる。新規取引先が増えたときも、既存取引先のデータをマイナーチェンジすれば、容易に追加が可能だということも分かった。 業界内にも、同程度の企業規模でSKU管理ができている企業は多くない。「EOS名人.NET」導入が他社との差別化ポイントともなった。

自社開発から生まれた独自の〝発明〟

河野社長は、「EOS名人.NET」の自社開発できるメリットを最大限に活用し、独自の〝発明〟ともいえる活用法を編み出している。 アパレル企業は、週末に売れた商品の補充対応があり、月曜日と火曜日は忙しい。それが終わり、週の半ばから週末にかけては、翌週の発注に備えた「値付け」などの仕込み作業に入る。毎週の繁忙期・閑散期、季節ごとの繁忙期・閑散期は、アパレル企業の宿命ともいえる。

そこで河野社長は、業務の平準化につながる〝発明〟を編み出した。

SATO値札発行ソフト

出荷の際には取引先ごとの値札を付けるのだが、多くの場合、発注と同時に流れてくる値札データを利用するか、もしくは受注したピッキングリストを参照して必要枚数を都度発行することが必要になる。それを月・火曜日は出荷自体が忙しいため、出荷の少ない木・金曜日に予め値札をストックしておくこと考え出したが、問題は得意先SKU別に発行するのにはある程度の経験と膨大な時間が掛かることであった。それを解決するために、スキルや経験を必要とすることなく誰もが発行できるよう、EXCELを利用して必要な値札のバーコードをスキャンして枚数を入力するだけで自動的にCSVデータが出力され、それを「EOS名人.NET」に取り込み、SATO社の値札発行ソフトで取込可能な値札データに変換出力できるシステムを構築した。 これにより週内の業務量が平準化され、残業時間の削減などが可能になった。

値付けデータを作成しているEXCEL

また従来、FAX発注は基幹システムで手入力にて伝票発行する必要があったが、発注量が多くなると起票に膨大な手間が掛かり、出荷までに時間が掛かってしまうという事態が生じていた。 これを社長お手製のマクロ入りEXCELに営業自らが商品コードと数量のデータを入力すれば、「EOS名人.NET」に取込可能な形のCSVデータが作成でき、それを「EOS名人.NET」に取り込み変換することにより、疑似的なEOSデータとして他のEOS発注と同様に扱えるようにした。 これにより出荷までの時間が大幅に短縮され、同業他社では2~3日程度かかるため注文自体を敬遠するところを、アンフィニでは翌日に出荷することができ、優位性を発揮している。 また伝票業務の一部を営業が行うことで、部門間の業務時間の平準化にもつながった。 毎日発注のある全国展開のディスカウンターからの注文は、WebEDIで提供される受注データを「EOS名人.NET」に取り込めば出荷の際必要なデータが吐き出せるので、あとはサイトにログインしてそのデータを貼り付けるだけで出荷報告が完了する。

働き方の改善にもつながる「EOS名人.NET」の活用

そのほかにも、社員の働き方の改善に「EOS名人.NET」が貢献している。以前は「伝票チーム」のスタッフしかできなかった、量販店の商品コードとアンフィニの品番を紐づける作業が、営業でもできるようになった。営業が得意先に対して提出する書類を作成する際の情報をCSVファイルとして「EOS名人.NET」のマスタに取り込んでおくのだ。これにより伝票チームの作業が格段に軽減された。

出荷するために利用する3種類のピッキングリスト

出荷時のピッキングリストも、作業の効率化に大きく貢献した。これはユーザックシステムに依頼し、カスタマイズしてもらったものだ。 以前は取引先が提供するシステムにより出力した伝票をもとにピッキング作業をしていたのだが、取引先ごとにフォーマットが異なるため、作業を覚えるには経験が必要で属人化の温床となっていた。 だが「EOS名人.NET」で店別のピッキングリストを出力しておけば、作業工程が平準化され、全く経験のない新入社員や、ほかの部署のメンバーなど、誰もが容易に作業に参加できるようになった。

「EOS名人.NET」の導入前は、納品時や出荷時は残業が増え、有給休暇の取得も難しかった。今は、「全社員11人合わせた残業時間は1か月10時間ほどで、有休も取り放題(笑)」(河野社長)だ。働く人の心身の健康にも良い影響が出て、スタッフの定着率も向上した。 出荷が効率化できたことにより、物流コストの削減も可能になった。残業が削減したことで人件費も圧縮。「感覚的だが、『EOS名人.NET』を導入したことで、利益率は1~2ポイント程度改善した。何よりも従業員が幸せなのが一番だ」(河野社長)と喜ぶ。

ユーザックシステムの担当者からは、改正「電子帳簿保存法」や、「インボイス制度」など、今後、企業として対応を迫られる制度改正などの情報と、必要に迫られた場合の適切なシステムなどの情報提供が得られることもメリットと話す。

今後もユーザックシステムはお客様のお困りごとに耳を傾け、課題解決の助けとなる商品開発を目指して行く。

企業プロフィール
会社名 株式会社アンフィニ
本社 〒5780924 大阪府東大阪市吉田3丁目4番6号
設立 1981年
従業員 11名(2023年5月現在)
事業内容 女性下着の企画・販売

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  • EOS名人.NET

    流通BMS対応EDIシステム

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