ツインバード工業 株式会社 様
Webとメールによる注文を自動的に取り込むことで、
1日5時間かかっていた受注入力作業がゼロになりました。
FAX注文からの切り替えも進みました。
- ソリューション:
- 対象製品:
- 業種:
事例概要
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- FAX注文書が多いため、入力やチェックに時間がかかっていた。
- Webでの注文が増え、ブラウザの操作が煩雑になっていた。
- メールでの注文の処理や納期回答業務が負担になっていた。
- お客さまにFAX注文からWebへの切り替えを依頼。
- Webやメールによる受注を効率的に処理するシステムを導入。
- 自社開発が可能なシステムを選択。
個性あふれる家電メーカー
家電メーカーのツインバード工業さまは、洋食器の生産で知られる新潟県燕市に本社工場をかまえています。
同社は1951年にメッキ製品製造で創業。その後1980年代に家電製品分野に参入。以来「お客さまの暮らしに感動と快適を」という創業当初からの願いとともに商品開発に取り組んでいます。
同社の製品は、AV機器や掃除機、理美容機器、照明器具、調理家電、生活家電と多種多様。消費者の節約志向による内食化の広がりを背景に、電子レンジやホームベーカリーなどの出荷が特に好調です。
今回、同社にご採用いただいたのは、ブラウザ操作を自動化しWeb受注業務の効率化を支援する「Autoブラウザ名人」と、メールに関するあらゆる処理(送受信・添付ファイルの処理・データ変換など)を自動化する「Autoメール名人」。
ご採用の経緯や効果について、同社 営業本部 セールスサポートセンター 部長 遠藤さま、総務部 情報システム課 佐藤さま、セールスサポートセンター 清水さまにうかがいました。
まずは「Autoブラウザ名人」について お尋ねします。どのような業務にお使い でしょうか?
佐藤:
ギフト関係のA社さまをはじめ、7社とのWebEDIを自動化しています(図1)。そのほとんどが受注データのダウンロードです。
導入時、ユーザックさんにA社さまのスクリプト(自動化手順)を開発していただき、それを参考にしつつ6社分のスクリプトを開発しました。
「Autoブラウザ名人」には自動化したいサイトの構造を解析するツールがありますので(図2.Enterprise版のみ)、スクリプトの開発はさほど難しくはありません。1つ開発するのに3時間くらいでしょう。今後は、あと2、3社分のスクリプトを開発したいと考えています。
導入前の課題をお聞かせください
遠藤:
セールスサポートセンターは受注業務を担当しています。セクション内で以前から「受注簡素化計画プロジェクト」を立ち上げ、受注業務を効率化するにはどうすればよいか、検討を重ねてきました。プロジェクトで取り組んだテーマの一つが「FAX注文書の削減」です。FAX注文書は入力やチェックに時間がかかりますし、残念ながら「送った・送らない」のトラブルもあります。
FAX注文書を減らすにはオンライン化しかないでしょう。しかし、カチっとしたオンライン(レガシーEDI)はコストが発生しますので、お取引のボリュームがある程度ないと、お客さまも当社も取り組みにくいです。となると比較的ローコストで取り組めるWebでということになります。
そこで私たちは、お客さまにFAX注文からWebへの切り替えについてご相談いたしました。有難いことに、それに応えてくださったお客さまもいらっしゃいます。
その一方、当社はWebでのご注文に悩んでいました。2008年ごろからWebでの発注が徐々に増えてきました。サイトごとにブラウザの操作方法が異なりますので、煩雑な手作業に困っていたのです。
Web注文はFAXに比べデータを入力する必要がない分効率的ですが、決して満足はしていませんでした。Web注文の改革も、常に検討していたのです。
そのようななか、「Autoブラウザ名人」の存在を知り、さっそくセミナーに参加しました。セミナーで、ブラウザ操作は自動化できるということを初めて知りました。まさに、我々の課題を解決してくれるソリューションだと確信しました。
導入後の効果はいかがですか?
清水:
非常に効率化されました。導入によって、一日平均3時間程度の受注入力作業がゼロになりました。ダウンロードをし忘れるという単純なミスが防げる点も良いですね。また、毎週月曜日は土・日・月の3回分をダウンロードしなければならないお取引先があるのですが、これなどは自動化ができて特に助かっています。
また、今まで各営業所で行っていたほかの受注入力作業を本社に移管し、受注を一元的に管理する体制が整いました。
そのほか、新しいパートさんへの教育という面でもラクになりました。今までは、取引先コードや商品コードを覚えてもらったり、入力の方法を教えたりと結構大変だったのですが、これらの作業もずい分軽減することができました。
遠藤:
月曜日は特に注文が多いので、受注入力や入力後のチェックのため、どうしても夜遅くなることがありました。現在は、繁忙期に差しかかり、受注が増えているにもかかわらず、残業をする必要がなくなっています。また、仕事の効率が上がりましたので、ワンランク上の仕事や他拠点の仕事をカバーできるようにもなりました。
「Autoブラウザ名人」は、人がついていなくても業務が進む点が良いですね。
佐藤:
今までは、注文があってもなくてもとりあえずWebサイトにアクセスしていました。しかし、注文がなかったら、この作業は無駄です。システムの導入によって、このような無駄を排除することもできました。
「Autoメール名人」は、どのような業務にお使いでしょうか?
清水:
ギフト関連のB社さまからメールで送られてくる注文情報の取り込みと、それに対する納期回答をメールで送信する業務に利用しています(図1)。
取り込み業務の流れは、(1)メール受信(ZIP形式に圧縮されたCSVファイルが添付)、(2)ZIPファイルを解凍、(3)添付ファイルを保存、となります。
一方、納期回答業務の流れは、先に送られてきたCSVファイルに納期を入力し、メールに添付して送信となります。
佐藤:
取り込みの自動化はユーザックさんが、送信の自動化は清水とユーザックさんが開発してくれました。
こちらについては、情報システム課はほとんどタッチしていません。システム選定の際にフロー設定の画面(図3)を見たところ、パズルをはめていくみたいに処理の流れを決めていくので、これなら現場で開発できるなと思いました。
清水:
プログラミングの経験はありませんが、少しずつ自動化を進めています。
遠藤:
何でも情報システム課に頼むのは私もつらいです。全部はできなくても、自分たちで大体のところまでができるならいいね、と考えて導入を決めました。
導入後はいかがですか?
清水:
導入の効果としては、1日2時間以上かかっていた作業がゼロになりました。また、ギフト関係ということで直送が中心となります。そのため、お客さまの個人情報を取り扱う機会が多く、非常に気を使います。その点、入力間違いなどの事故を防ぐ意味でも、自動化した意義は大きいと思います。
今後は、ギフト系のお取引先さまを中心に、あと6社とのメール受注を自動化したいと考えています。
佐藤:
最近、ギフト系の企業さまからの直送のご依頼が増えています。個人情報を取り扱う関係で慎重にということで、直送のご指示もFAXからWebに切り替えるケースが増えてきているようです。
「Autoブラウザ名人」や「Autoメール名人」は、データをそのまま取り込みますのでミスが無くて良いですね。
受注業務の改革が進んだようです
遠藤:
お客さまに、FAX注文からの切り替えをお願いしたのが良かったのかもしれません。
例えばC社さま。こちらは当社としても大口のお客さまなのですが、通常のEDIに加え、FAXでもご注文をいただいていました。しかもFAXの方が圧倒的に多い件数で。プロジェクトで、これは何とかしようということになり、C社さまへFAXからWebへの切り替えが可能かどうか、お尋ねしてみました。すると意外なことにご賛同いただき、3か月後にはFAXからWebに切り替えていただくことができました。またD社さまにもWebへの切り替えのお話しでうかがったところ、快くご賛同いただきました。目下、切り替えに向け打合せ中です。
FAXからWebへの切り替え交渉は、最初は担当営業に任せます。しかし、思うようには話が進まないことも多いです。やはり、業務に直接携わっている者がお話しをさせていただいた方が、ご理解をいただきやすいのかもしれません。
Webへ切り替えてもらえれば「Autoブラウザ名人」がありますので、受注業務がどんどん効率化できます。ね、佐藤さん(笑)。
佐藤:
頑張ります(笑)。また、Webサイトの立ち上げが大変だなあ・・というお客さまには「Autoメール名人」がありますので、その場合はメールでの注文をお勧めすればいいですね。お客さまも、それならやってみましょうか、と言ってくださると思います。清水さん、頑張って(笑)。
遠藤:
お客さまの体制やシステムは常に変化しますから、当社としても、変化に柔軟に対応できる仕組みを用意しておく必要があります。その点、今回導入したシステムは社内での開発や保守、変更が可能ですので、余分なコストをかけず、しかも迅速な対応が可能になったのではないかと思います。
当社はもう、Webでもメールでも大丈夫です。このような仕組みがないと、今後は大手企業さまとのお取引も難しくなっていくのではないでしょうか。
お客さまに合わせた受注の仕組みが複数用意できたことは、受注簡素化計画プロジェクトの大きな成果ですね。ありがとうございました。
2010年11月取材(記載内容は取材時の情報です)