タカヤマ金属工業 株式会社 様
月間8,000件のFAX受注処理を効率化
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タカヤマ金属工業は、樋受金具や鋼製束(建築用床下支持金物)を中心とした建築用金物メーカー。
50余年の社歴があり、樋受金具では全国の約40%というトップシェアを誇っています。
樋受関係は販売問屋、鋼製束関係はハウスメーカー・ホームビルダー・建材問屋など、取引先は2,700社にもおよんでいます。
導入に至る背景と課題
電話受注からFAX受注への切り換えで問題発生。
同社の高山専務(当時)に伺いました。
「電話による受注では、”言った・言わない”のトラブルが発生したり、別注オーダーの形や寸法を聞き取るのに時間がかかるという難点がありました。 それで電話からFAXによる受注方法に変換を推進してきました。現在では、すでに70%がFAXによる受注になっています。
これによって、受注処理の精度や顧客サービスはアップしたのですが、反面、受注業務の効率化という点では課題がありました。 送られて来た注文用紙をその都度FAX機まで取りに行き、地区別に仕分けして担当者が受信印を押してFAXで返信すると同時に、 受注入力処理を行うことになるので、立ったり座ったりと慌ただしく落ち着いて業務に専念しにくいという環境になってしまったのです。
それで、担当者が本来の受注入力処理に専念してもらい、それ以外の工程を自動化できないものかと考え始めました。
そこで、経営コンサルタントから紹介されたのが、ユーザックさんの「FAXお助け名人(現FAX受注名人)」でした。
新しいシステムや機器を導入すると、様々な不平や不満の声が出てきたりするのですが、今回は3カ月間のテスト稼働でもそうしたことがなかたっので、 平成15年11月からの本格導入を決めました」。
導入システムの機能
マルチディスプレイで、受信から出荷指示までをワンストップ処理。
「FAXお助け名人(現FAX受注名人)」が導入された同社の受注センターは、全国を5地区のブロックに分け、 地区ごとに2~3台、計13台のクライアント端末が、FAX・電話からの受注に対応するという体制が取られています。
FAXよにる注文は、ナンバー・ディスプレイにより地区別に自動振り分けされ、 各地区担当者の画面にポップアップで知らせが入り、受信サーバーに蓄積されたFAX注文は、 クライアント端末から随時引き出して受注処理されていきます。
クライアント端末は、2つのディスプレイを1つのデスクトップとして表示できるマルチディスプレイとなっています。
一方には受信したFAX画像が表示され、もう片方には基幹システムと連携する受注入力画面が表示。 それらを1つのキーボードとマウスで自在に操作できるようになっているのが特徴。
受信したFAX画像(TIFF形式)には、メモ書きや修正、回転などが可能なペイント機能を搭載。
必要に応じて印刷したり、営業担当者に画像を添付してメール送信することも可能。
受信したFAXや電話への受信確認や納期などの返信処理も、画面操作で簡単に処理でき、 受信/入力/返信から工場への出荷指示までの一連操作が、迅速かつワンストップで処理できるようになりました。
システムの稼働状況と担当者の評価
月間8,000件を超えるFAX受注業務の効率化を達成。
同受注センターでの受注処理件数は、1カ月にFAX:8000件、電話:5000件という膨大な数。
1担当あたり、1日に30~40件、多い担当では100件の受注FAXを処理。
1枚のFAXには、平均して5件(品種)の注文があるので、受注処理総数はその5倍にも達しています。
同社製品の種類は12,000種にのぼり、取引先は2,700社、納品先は建設現場など多岐にわたるため、実に25,000件がマスタに登録されています。
受注スタッフの東野さんに伺ってみました。
「このシステムを導入して、FAX機との往復や受信用紙の地区振り分け作業が解消され、 しかも受信したFAXを確認しながら入力が行えるので、非常に効率が良く、快適に作業ができる環境になりました。 素早く確実に返答できるので、お客様からの問い合わせも減り、信頼関係をより深まったように思います。 電話による受信通知や納期回答も、FAX送信できるようになったので、センター内が格段に静かになったのも驚き。 同業他社だけでなく、お客様からも羨ましがられています」。
なお、FAXによる注文用紙の内容には、さまざまな形式や個別の筆致があるため、OCR(*1)による自動読み取りは難しく、 客先を知り尽くした地区担当者でなければ正確な「解読」や製品品番との照会、出荷指示はできないようです。
(*1) OCR(Optical Character Reader)光学式文字読取装置。紙に印刷や手書きされた文章を読み取って、コンピュータにデータとして取り込む装置。今回の場合、FAXで送られてきた用紙の内容を受信サーバーが読み取る、FAX-OCRをさす。あらかじめ読み取る位置を設定した用紙フォーマットが必要。
導入評価と今後のシステム拡張
受信という受身から情報発信もできるシステム体制へ
同社では、システム導入に伴い4台あったFAX機を2台にし、その2回線分をシステムの受信に割当。 VOISTAGE(*2)マルチメディアVS-402MCが、このFAX受信処理をサポートしています。
一方、送信は1回線のため、当日出荷の締切時刻前後になると返信FAXが集中し、ひどい時には 1時間近いウェイトタイムが発生してしまうこともあるようです。
管理担当者である業務部の中野さんによると、
「回線の増強を検討中です。また、受注対応だけでなく、営業活動や新製品の販促、 休日案内などを一斉同報できる機能を搭載することをユーザックさんと検討中です」と、 今後の計画を紹介していただきました。
ここ数年に渡って、同社の受注件数は年々2割増の成長、取引先数も1割増の拡大を続けています。
しかし、受注処理に携わるスタッフは増員されていません。
「成長に伴って、前年以上の受注対応が必要な状況で、「FAXお助け名人(現FAX受注名人)」がなかったら今頃どうなっていたことか。 導入して本当に良かったと感じています。
今後は、受注数に応じたシステムの拡充や体制の充実を図っていきたいと考えています」と、 高山専務からも高い評価をいただきました。
(*2)VOISTAGE(ボイステージ)(株)NTTデータが提供するCTI(電話やFAXとコンピュータを結ぶ技術)専門ブランド。「FAXお助け名人(現FAX受注名人)」は、VOISTAGEのFAX処理機能を使用したソリューション・パッケージ。
※2004年5月取材(記載の情報は取材時のものです)。