株式会社ニトムズ 様

合併を機に業務プロセスから見直し、物流システムを刷新。
「送り状名人」の導入で「ホワイト物流」への移行をめざす

ソリューション:
  • 物流・帳票
対象製品:
  • 送り状名人
業種:
  • 製造業

事例(PDF)

総合部材メーカーの日東電工株式会社様を中核とするNittoグループの一翼を担う株式会社ニトムズ様は、2016年にグループ内で統合しました。当初は、各社の情報システムを利用し続けていましたが、やがて基幹システムの統合・刷新に着手。2021年の本稼働に向けプロジェクトがスタートしました。そして、送り状発行業務についてはユーザックシステムの「送り状名人」を導入。基幹システムのカットオーバーに遅れることなく稼働を迎えることができました。
一連の経緯について、導入を主導した同社 業務改革推進部 部長の福井さん、業務改革推進部 担当部長の松本さんに話を伺いました。

グループ内3社が合併し、競争力の強化を図る

(左)快適・便利なお掃除用品の定番「コロコロ」、(右)キレイにはがせる両面テープ

株式会社ニトムズ様は、日用家庭用品、文具、医療・ヘルスケア製品などの開発・製造を手がけています。掃除用品の定番、粘着クリーナー「コロコロ™」を開発・販売するメーカーといえばピンとくる人が多いのではないでしょうか。その他、接着テープ等、DIY用テープの品揃えは業界TOPを誇り、また、自社で小売店を運営し、ふせんや各種ラベルシート等のステーショナリーやコロコロなどを販売する、エンドユーザー・マーケティングを展開しています。
このように多くの領域に製品を展開する同社は、粘着・塗工技術などをベースに多様な製品を提供する総合部材メーカーの日東電工株式会社様を中核とする、Nittoグループの一翼を担っています。

「新生ニトムズ」が誕生

2016年7月、株式会社ニトムズ様を存続会社として、グループ内の医療材メーカーの日東メディカル株式会社、産業用マテリアルメーカーの日東ライフテック株式会社の3社による合併が行われました。同じBtoC(消費財)関連の事業を展開する3社が一体となり、競争力の向上を図ることが目的でした。しかし、「新生ニトムズ」が誕生したものの、業務自体は旧3社それぞれ従来の仕組みで進められており、ガバナンスの点でも一体化には道半ばの状態でした。

そこで2020年、ニトムズ様はグループ内の日東ロジコム株式会社様の協力を得て、基幹システム刷新と物流機能のシステム見直しを図る「Bridgeプロジェクト」を立ち上げました。同プロジェクトは、3社の業務プロセスを統一し、システムの共有化を図るもので、これにより名実ともに合併が完了し、シナジーを創出する経営と事業基盤が整いました。

システム先行ではなく、業務プロセスの見直しと統一から始める

―どのような経緯で「送り状名人」をご採用いただいたのでしょうか
松本
3社は財務の一部を除けば、物流はもとより、受発注や経理などの仕組みも各社各様で、送り状の発行も一部手書きの他、スクラッチ開発によるそれぞれ別個のシステムで運用されていました。

統合にあたってはシステムを先行して開発するのではなく、その前提となる各社の業務プロセスの見直しや統一がまず必要と判断され進められていきました。
合併により、発送先は卸や商社を中心に1,000件を超え、発送の対象となる総アイテム数は4,000SKUを数えます。なかでも病院・クリニックで使用する絆創膏や包帯など1割近くを占める医療系製品は、保管温度や使用有効期限が厳密に規定されており、出荷管理には相応の体制と細心の対応が必要なアイテムもあります。
主要物流拠点は、愛知県豊橋市の2か所と愛媛県松山市の1か所、計3拠点です。

ニトムズの物流業務は、倉庫管理も含め、10年前からグループ企業の日東ロジコムに委託しています。合併以前は、送り状をはじめ、伝票類の発行については基幹システムが担っていました。基幹システムの刷新にあたり、送り状発行業務についても3社共通の仕組みを基幹側で構築する考えもありましたが、基幹システムの運用開始が2021年5月に迫るなか、とても時間的な余裕はない。そこで日東電工に相談したところ、ユーザックシステムを紹介してもらい、即戦力となるパッケージシステムの「送り状名人」と出会ったという経緯です。

重量を基準に荷個数を自動算出

「バラ品」のピッキングリスト・荷札・内容明細書。重量を自動計算し、9kgを超える場合は別梱包となる。

―運用の状況をお教えください
松本
集荷予定データは、集荷時間ごとに1日3回程度、基幹システムから「送り状名人」側に取り込みます。 なお、運送業者および輸送モード(路線便/専用便等の種別)は、客先指定や配送地域等により基幹システム側があらかじめ設定しており、「送り状名人」では、それらの荷合わせや名寄せ等を受け持ちます。その他、納品書等の伝票発行生成も基幹システムが担当します。

製品のサイズや重量は多様です。出荷製品の荷姿は、大別してケース単位の「ケース品」と、さまざまな製品の箱詰め「バラ品」に分けられます。ピッキングリストや荷札については、前者は基幹システムが発行し、後者は「送り状名人」が発行します。その際、「バラ品」の場合は、1梱包の最大重量を9kgに設定しており、その重量閾値を超えた分は別梱包となるよう「送り状名人」が自動計算し個口数を決定。梱包ごとに送り状を発行していきます。

送り状ラベルを印刷

3拠点合わせ、1日に4,000枚以上の送り状を数回に分け、計2時間をかけて印刷しています。1,000件程度の出荷の場合、1回あたりの作業時間は基幹システムからのデータインポートに1分、送り状の印刷に30分、運送会社への引き渡し情報整理に5分、出荷実績データ整理に5分程度です。
そして、1拠点に1~2名の事務スタッフがそれらの業務を担当しています。

「奇跡だ、ありえない」 導入の効果と評価

「送り状名人」を操作する様子

―導入効果や評価はいかがでしょうか
松本
まずは、統合による効果ですが、従来は3社3様で運用していたものが、送り状発行を含め、システムを一元化することによりワン・オペレーションで完結できるようになり、工数は半減以下になりました。

「送り状名人」については、パッケージシステムゆえ、『かゆいところに手が届く』ような操作性と信頼性を感じます。現場からも、使い手側の視点に立ったわかりやすいマニュアルもあるので、非常に扱いやすいとの評価が集まっています。

―コロナ禍でのプロジェクトでした
福井
製品の良さやコストもさることながら、ユーザックシステムのサポートにも助けられました。開発期間が短く、運用開始時期を動かせない状況、しかもあいにくのコロナ禍で一度も現場を見ていただくことができませんでしたが、当方からの投げかけや相談にも、複数の解決策を提案され、判断を下しやすいようにそれぞれのメリットとデメリットを提示いただくなど、本当によく対応いただき感謝しています。

松本

業態の異なる3社の統合で難易度の高い案件でしたが、知り合いのITベンダーや他のメーカーに話をすると、「この短い納期で、トラブルなくスムーズに運用に漕ぎつけたことは奇跡だ、ありえない」との声が方々から寄せられるほどです。

出荷の最適化と効率化で「ホワイト物流※」に貢献

今、物流業界では、2024年4月から施行される、ドライバーの時間外労働時間の上限(年間960時間)規制によって発生するさまざまな問題、いわゆる「2024年問題」への対応が求められています。これには、物流を担う運送業者・荷主・ドライバーの3者の理解と協力が不可欠です。

低賃金・長時間労働を強いられ、とかく“ブラック業界“と称されるトラックドライバーの労働条件を改善すべく、国土交通省では物流における現状の非効率的な状況を改善し、生産性の向上と働き方改革の双方の観点から「ホワイト物流」の実現を掲げ、その賛同企業を募り協力を呼びかけています。

―グループやニトムズ様での取り組みは?
松本
「ホワイト物流推進運動」に賛同企業として名を連ねる日東電工では、「出荷順序や荷姿を想定した生産・荷造り等による荷待ち時間の短縮」「送り状の名寄せなどによる物流効率化の推進」などの方針を掲げ、グループを挙げて取り組みを進めています。
その方針を受け当社では、サプライチェーンやデマンドチェーンの効率化やSDG’sに配慮した事業スキームづくりを通して「ホワイト物流」への移行をめざしています。

運送業者との重要な接点を担う「送り状名人」は、基幹システムとの緊密な連携で出荷に関わるリードタイムを短縮し、無駄な荷待ちや誤出荷を防ぐなど、「ホワイト物流」の実現にも有効なソリューションとして強く期待しているところです。今後さらには、倉庫物流業務全般にわたり、製品システムとサポート両面で相談に乗っていただければと思っています。

※ホワイト物流・・・ 物流業界の深刻な人手不足を受けて、トラック輸送の生産性を向上や物流の効率化を実現し、トラック運転者の負担を減らそうという国土交通省が主体となって取り組んでる運動のこと。荷主企業と物流事業者が相互に協力して物流を改善する。物流業界でもホワイトな労働環境づくりをめざすという意味が込められている。

企業プロフィール
会社名 株式会社ニトムズ
本社 〒140-0002 東京都品川区東品川4丁目12番4号 品川シーサイドパークタワー7階
設立 1975年4月
資本金 1億6,000万円
社員数 383名
事業内容 日用家庭用品、文具、医療・ヘルスケア製品などの企画/製造/加工/販売及び輸出入/小売店の運営
Webサイト http://www.nitoms.com/

関連商品・サービス

  • 送り状名人

    送り状・荷札発行システム

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