モランボン株式会社 様
BCP(※)対策の一環としてRPAを導入。
WebEDIの100受信をRPAで自動化中。
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事例概要
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- Webからの受注処理を手作業でおこなっているため、今後の取引拡大に伴う作業増により、マンパワーが不足した際の対応体制を整える必要があった。
- RPAツールを導入し、Webからの受注業務自動化を推進。マンパワー不足に備えることができ、業務フローの改善に役立っている。
- 受注業務以外でのRPA活用も視野に。
素材、きわだつ
東京都府中市に本社をかまえるモランボン株式会社さま(以下同社)は、「韓国・朝鮮の食文化を日本の人々に伝えたい」との創業者の想いを原点に「ジャン 焼肉の生だれ」、「韓の食菜」、「キムチ」、「鍋スープ」、「中華皮」、そして生鮮売場で素材のおいしさを引き出す多彩な調味料・調味食品など、多様化する食ニーズ・食シーンを捉えた数多くの商品を生活者にお届けしています。
そして、「ジャン 焼肉の生だれ」は2019年2月1日に発売40周年を迎えました。「手作りの味わいそのままに」という考えのもと、素材が生きる、素材を活かす、まるで焼肉店で調合したような風味にこだわり続けてきた同社。焼肉のたれに“鮮度”という新しい尺度を加えた独自の価値提案は、消費者からも高く支持されています。
同社は、2018年4月にあらゆるブラウザ操作を自動化するRPAツール「Autoブラウザ名人」を導入しました。その目的や効果などを、経営企画室室長姜永福さんに伺いました。
※BCP:事業継続計画。災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画
-「Autoブラウザ名人」のご利用、誠にありがとうございます。どのような業務にお使いでしょうか?
「Autoブラウザ名人」は、2018年4月にユーザックシステムからサブスクリプション契約で導入しました。開発版と実行版が1本ずつです。利用業務は受注業務です。小売店のWebサイトから受注データをダウンロードするために導入しています。
当社のEDIの内訳は、JCA手順が200受信、流通BMSが150受信、WebEDIが150受信となっています。そして、WebEDIの150受信のうち、100受信について「Autoブラウザ名人」で自動化したいと考えています。
-自動化の進展度合いはいかがですか
2019年9月現在、比較的自動化しやすく、他にも応用が利きそうな受信をピックアップし、まずは16受信の自動化に成功しています。
70受信まで自動化ができれば効果を実感できると思いますので、今後はスクリプト開発のピッチを上げたいですね。
-スクリプト(=自動化シナリオ)はグループ会社で開発をしておられると伺いました
Autoブラウザ名人の開発版はグループのシステム会社に設置し、そちらでスクリプトを開発しています。一方、実行版は本社にあり、曜日ごとにタイムスケジュールを組んで運用しています。
スクリプトの開発はマニュアルを見ながら進めました。
-ご検討のきっかけを教えてください
当社の受注業務を担当する部署では365日、常に誰かが出社しています。日曜日はFAX注文が無いので人数は少な目ですが、それ以外の曜日では社員6名、契約社員3名が分担して作業をおこなっています。Web担当は3名ほどで、それぞれ手作業で受注データをダウンロードしています。
何事もなければよいのですが、例えば交通手段に影響が発生したために担当者が出社できない。従ってWeb操作はもとより、商品出荷指示もできない・・このような事があると困るのです。
また、年々深刻化する人材不足にも、対応可能な体制を考えておかなくてはなりません。
これらの問題に対する答えの一つが、RPAツールによる受注業務の自動化でした。
-リスク対策を図られたのですね
3.11以来「何かあったとき」を強く意識するようになりました。当時は計画停電も3回程あり、日中の停電時には、4~5時間は何も処理ができずに非常に混乱しました。これについては、震災後に基幹システムのオープン化を進め、サーバーも全てデータセンターに移し、安定的な運用が可能になるよう体制を整えました。BCP対策の一環です。
-なぜ「Autoブラウザ名人」をお選びいただけたのでしょうか
基幹システムのオープン化を検討した際、EDIの再構築に関して相談するために、以前から社名を知っていたユーザックシステムに電話をしました。すると担当者がすぐに飛んで来てくれたのです。まずは、この時の印象が良かった(笑)。もちろん、価格面やデータベースの操作性なども評価して、最終的に「EOS名人.NET」の導入を決定しました。
ユーザックシステムとの付き合いはこの時からです。
「名人シリーズ」は、隙間というか、目のつけどころが他社とは違う感じがします。さらに、ソフトウェアが比較的安価である点や、ユーザーインターフェースが統一されている点、導入のしやすさなども評価しています。
「Autoブラウザ名人」は、Webに特化したシステムという、他社には見られない特徴があります。この点を評価して導入しました。現在は「Autoブラウザ名人」と 「EOS名人.NET」を組み合わせることで、ダウンロードから基幹システムへの連携までを全て自動化しています。
―自動化手順―
(1).受注データをダウンロード
(2).(1)のファイルをFTPでサーバー(データセンター)にアップロード
(3).ファイル監視ツールが2分間隔で巡回
(4).監視ツールがアップロードされたファイルを検知し、受注データを「EOS名人.NET」に連携
-導入後の効果はいかがですか
目に見えるような大きな効果はこれからだと思いますが、タイムスケジュールに若干余裕ができ、担当者も喜んでいるようです。この先、自動化を進めていけば、仮にマンパワーが不足する状況に直面しても、ある程度は耐えられる体制が整えられるのではないでしょうか。
-今後について
スクリプトの開発にも慣れてきましたので、月に2受信は自動化できるよう、開発体制を強化する計画です。また、将来的には、データセンターでの運用も検討したいと思います。そして、受注業務以外では、人事や総務、経理部門、マーケティングの分野でも対象業務をリストアップし、自動化できる仕事はどんどん進める計画です。今後はWebだけではなく、アプリケーションの操作も自動化したいと思いますので、「Autoジョブ名人」で推進することになるでしょう。
-「何かあったとき」への備えがいかに大切であるか、改めて実感しました。本日はありがとうございました。
(2019年3月取材、同年9月一部改訂)
取材協力:株式会社 内田洋行