岩倉印刷紙業株式会社 様

『自社一貫生産体制』を支え、社内情報の一元化と業務効率化を実現する「印刷業名人」

ソリューション:
  • RPA
  • 特化
対象製品:
  • Autoジョブ名人
  • Autoメール名人
  • 印刷業名人
業種:
  • パッケージ印刷(紙器印刷)業

事例(PDF)

システムによる管理と運用で客先のニーズに対応

岩倉印刷紙業株式会社(以下、同社)は食品、化粧品、医薬品等のパッケージの製作、ディスプレイやカタログの企画・印刷、システム開発を手がけています。
大手食品メーカーのパッケージをはじめ、手がけるパッケージは800種にのぼります。
とりわけ食品パッケージは多品種で形状や素材が多彩かつ商品の改廃サイクルが頻繁で、製品完成までには相応の体制や対応が求められます。
同社最大の特長は「自社一貫生産体制」で、これにより他社との差別化を図っています。
具体的には、設計・デザイン、製版・刷版、印刷、加工(型抜き・貼り)、検品・出荷の各工程を自社工場で完結し、責任ある生産体制を確立しています。
自社一貫型生産体制を維持する上で業務管理のシステム化は避けて通れないと考え、同社で新たなシステム導入を検討することになりました。
今回は同社主力工場である郡山工場へ取材に伺い、梅本政資工場長にシステム化までの経緯を伺いました。

梅本氏:私たちが扱う商品パッケージは多品種・短納期が特徴です。さらに品質の安定性に対する要求や環境問題への関心も高まりを見せています。また、お客様の製 造ラインの高速化にも対応を迫られています。商品パッケージが決して製造工程のボトルネックになってはいけないと考えています。
分業型の印刷・加工会社ではこれらの客先ニーズには対応できません。大手の同業他社では品質や管理は行き届いているものの無理は効きません。そこで、当社では高速かつ環境性能にも優れた新鋭機を積極的に導入し「自社一貫生産」しかも24時間体制を敷いています。
それらを効率よく運用し生産性を高めていく上で人の経験や勘だけに頼ると自ずと限界が生じミスも発生しますし、組織としての成長も見込めません。そこで、システムによる管理が重要な要素となります。
当社にも従来から個々のシステムはありました。しかし、その範囲は限られ相互に連携するものではなかったのです。また、高度化する機械とは対照的に属人的な手書きの帳票やエクセルによる管理が主体で、統一した社内ルールも明確には存在しませんでした。
つまり、各部署や業務を俯瞰し一元的に管理できるシステムが求められていたのです。 そうした中、取引先からユーザックシステムの「印刷業名人」が紙器印刷業に特化した業務管理システムであると聞き、紹介していただきました。
そして、設計開発・テスト期間を経て、2019年9月から本格稼働させました。
業務がどう変わったのか、帳票や画面を交えながら管理部副部長の川島文弘氏、同部生産管理課次長の山﨑祐一氏、係長の林田裕平氏に伺いました。

【在庫台帳】~毎日4時間かけて記帳し続けた在庫台帳が不要に~

川島氏:私の「印刷業名人」に対する期待は、『在庫台帳に関わる負担を軽くしたい』でした。当日の業務報告が夕方に作業日報として各部署から上がってくるのですが、その内容を基に品番ごとに仕掛り品や製品の在庫状況を翌日に在庫台帳に記帳していくものです。
以前は私と女性スタッフが毎日4時間かけていたこの作業ですが、システム化することにより作業実績を入力すると自動的に在庫台帳に反映され日々の記帳の手間がなくなりました。
それにより、在庫内容が共有できるので繁忙期に1冊の在庫台帳を取り合う光景も見られなくなりました。
また、郡山工場で製造するパッケージの7割を占める大手食品メーカーからは毎月の在庫報告も求められます。当月末の在庫を翌月2日の午前中までにというものです。これまでは在庫台帳を片手に800種もの製品の在庫情報を徹夜でまとめていました。今では女性スタッフひとりが空いた時間を利用して画面上でスムーズに処理しています。

【作業日報】~いずれはタブレット端末を利用しリアルタイム入力も~

林田氏:現在作業実績入力は、作業日報を元に行っています。導入当時、現場にタブレット端末を入れてリアルタイム入力するという提案はユーザックシステムより受けていました。但し、社内の声として段階的に進めた方が良いという意見があり現在の形になっています。
次期ステップでは、タブレット端末を使用し、稼働の開始/終了時に現場でリアルタイム入力することで手書きの手間を省きたいと思っています。端末の時計を利用するので、作業時刻を思い出して記入する必要もなくなります。
また、各機械の稼働状況は機械メーカーのサイトからリアルタイムに見ることができますが、「印刷業名人」にも連動できれば時刻の入力も不要になるはずですので、生産性の可視化を通して「スマート・ファクトリー化」に向けた第一歩になるかもしれません。

【作業指図書】~今も改良を加え進化を続ける~

山﨑氏:作業指図書も大きな進化を遂げました。指図書そのものは以前から「製造指示書」として本社と工場でそれぞれシステム管理していたのですが、「印刷業名人」導入を機に一本化したうえで項目をより詳しく入力・管理できるようにカスタマイズを加えました。
工程ごとに納期記入欄を設け、表面加工の種類・注意事項・製版フィルム番号や版種(再版/改版/新版)の記入欄・FSC(環境保全)認証取得の有無等の表示を新設しました。 本社生産部でも、協力会社様から工程順が分かりやすく配置され、作業順序が見やすくなったというお声を頂いたと聞いています。
なお、現在でも管理項目や配置などに改良を重ね、より分かりやすい指図書になるよう進化を続けています。

【発注書メール配信】~メール配信を「Autoメール名人」でRPA化 ~

本社生産部の用紙発注ですが、以前はFAXで1件1件手作業で送っていましたが、「Autoメール名人」で発注書PDFが自動生成され、メール配信も自動化されました。これにより、FAX機に向かう頻度が減り、稀にあったFAXでの送付先のミスも完全になくなりました。

【納入予定表】~ダウンロードを「Autoジョブ名人」でRPA化 ~

大手食品メーカーからは週に2回月間納入予定表を入手していますが、「Autoジョブ名人」で自動化し、「印刷業名人」に連携させています。ここでも川島副部長の負担が大幅に軽減しました。
川島氏:毎週火曜日と水曜日は同社の納入予定データが更新されるので日に3回サイトからダウンロードし、旧システムに取り込んで出力していました。大量の品番に対応する在庫を在庫台帳から引当て、予定表に転記していくのです。毎週2日間は夜9時頃までこの作業に追われていました。
追加導入した「Autoジョブ名人」で、受注データダウンロードからシステムへの入力を自動化することができ、更に電子化した在庫台帳からの引当ても画面操作で完結するので、夕方6~7時には作業を完了させることができるようになりました。

「システムの方が絶対正確で早い!」

川島氏:導入時には、運用を担当する女性スタッフを中心にこれまでの業務の流れを変えたくないとの思いやIT化への抵抗感からか、戸惑いの声が上がりました。ミーティングを重ね丁寧に説明して回り、運用の核となる山﨑次長が「システムの方が絶対正確で早い」と力説したことでようやく受け入れてもらえるようになりました。
事実、業務の効率化により運用スタッフも削減出来、人員配置の最適化も図ることができました。
川島氏:半年間は移行期間として、手書き・システム併用の時期を設けました。
運用当初は不慣れなため入力ミスや空欄が多々あり混乱もあったのですが、徐々に収まっていきました。

各部署との連携でコミュニケーションも活発化

システムは、工場内のみならず本社や物流センターとも密接に連携しています。 工場で仕上がった製品は小口のものは物流センターに送り、センターから宅配便等で出荷。検品が必要なものは、センターで検品後工場に戻し工場から出荷するケースもあります。なお、大口のものは工場から直接出荷しています。
林田氏:以前は、これらモノの動きには手書きの台帳や帳票を使用していましたが、システム導入により同じ画面を共有して工場・センターがリアルタイムに管理できるようになりました。
旧システムは売上や仕入管理等、営業・経理面が主体でしたが、今回はモノの動きまで管理できるようになり、共通の情報インフラで社内のコミュニケーションも活発になりました。以前は、営業スタッフが工場まで足を運ぶことも少なかったのですが、製造や出荷現場にも常に関心を払ってもらえるようになり、製販一体の意識が増しました。

定例会でシステムの改良を重ね、将来を見据える

運用後3年を経過した現在でも、ユーザックシステムも参加する定例会を2ケ月に一度開催しています。
現場からの要望に基づく改良、新たな機能の追加に向けた検討や検証、さらには将来的な構想を見据え共有する場として忌憚のない意見や提案が交わされ、今もシステムの機能強化が続いています。

ユーザックシステムのサポートについても次のように評価頂いております。
川島氏:「Autoジョブ名人」導入時は、運用に不具合が発生したときなどには、ユーザックシステムから即座に連絡が入り対処してもらえました。リモートで常時監視してもらっているイメージで、手厚いサポートにも信頼を置いています。

山﨑様は今後について次のように話しています。 山﨑氏:今後のテーマは、システムが関わる範囲を拡げていくことです。各機械の稼働状況の管理や印刷インキの在庫・原価管理など。また、製造現場のタブレット端末の導入など入力環境も整えていきたいです。

企業プロフィール
会社名 岩倉印刷紙業株式会社
本社 〒543-0026 大阪府大阪市天王寺区東上町2-25
設立 1950年1月
資本金 4,950万円
社員数 200名
事業内容 パッケージ、カタログ、POP等商業印刷物の企画、デザイン、製造、データベースプログラム開発
Webサイト https://ip-c.co.jp/

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