ダイワボウ情報システム株式会社 様

電帳法対応が業務効率化のきっかけに。メールでの取引業務を自動化

ソリューション:
  • RPA
対象製品:
  • Autoメール名人
業種:
  • サービス

事例(PDF)

電帳法対応を機に、取引先からの請求書処理業務を自動化したダイワボウ情報システム(DIS)。
メールに特化したRPAであるAutoメール名人だからできる、きめ細やかな自動化を業務部門と情シスのタッグで作り上げた。

手間のかかる請求関連メールの電帳法対応を自動化したい

国内最大級のIT専門商社であるダイワボウ情報システム(DIS)。取材対応いただいたのは、販売推進本部 業務部 部長である松前和宏氏、同氏の元で買掛管理の業務効率化を手がける工藤修司氏、仕入れ先や社内の調整を実務として担当している松平基寛氏、そしてAutoメール名人の導入と技術支援を手がけたシステム推進部の伊藤滋敏氏の4人だ。

業務部とシステム推進部の垣根は普段から低い。松前氏は、「業務部門の課題をリクエストとして挙げ、システム推進部に対応してもらっています。ITによる課題解決は日々発生していますので、両者は密接した関係です」と語る。ITに強い社員が多いIT専門商社だからこそ、ITの使い方は情シスに任せるという役割分担がきちんとできているという。

販売推進本部 業務部 部長 兼 商品DB推進グループマネージャー
兼 買掛管理グループマネージャー 兼 業務サポートマネージャー 松前 和宏氏

さて、今回電帳法対応の自動化でAutoメール名人を導入したのは、工藤氏、松平氏が業務改善を進める買掛管理グループになる。商社であるDISのビジネスの基本は、商材を購入し、納品された商材を検品した後、仕入れ先から発行された請求書に基づいて、代金を支払うという流れだ。こうした外部業者との取引において、同社はISDN時代からEDIを導入しており、取引の多くはすでに電子化されているという。

一方で、いまだにEDI化が難しい仕入れ先もあり、今もメールでの取引が残っている。同社と継続的に取引を行なっている会社は1200社以上。
「お取引がある会社のほとんどでEDI化を実現しているのですが、輸入関連取引の場合、今もメールでの取引が多い状態です。ペーパーレス化はできていますが、EDIの仕組みを合わせるのが難しいのです」(工藤氏)。

販売推進本部 業務部 買掛管理グループ エキスパート 工藤 修司氏

2022年1月に改正された電帳法では、取引に関わる文書をすべて電子化し、改ざん不可・検索可能な形で保存する必要がある。
DISでは請求関連のメールを1日あたり30~50通受信しているが、電帳法対応のためには、これらのメールに添付されたファイルの中身を確認した上、ファイルをリネームしたり、アーカイブ処理のためのフォルダに保存しなければならない。電帳法対応とは言え、これら一連の作業を人手でこなすのはやはり手間がかかる。
「請求書の中身を人が確認するのが必要な作業とはいえ、その他の作業はなるべく自動化したいと思いました」と工藤氏は語る。

自動処理機能を持つAutoメール名人に白羽の矢

電帳法対応のプロジェクトは、業務部のメンバーがツールを探す形で2021年の夏頃にスタート。秋口には松前氏がユーザックシステムのセミナーに参加し、システム推進部にAutoメール名人の導入サポートを依頼したという流れだ。

松前氏は、もともとシステム部に所属していたこともあり、伊藤氏といっしょにRPAの導入を手がけていたので、ユーザックシステムは知っていたという。「Autoメール名人はメールに特化した処理が可能なので、今回の電帳法対応には向いているのではないかと思い、システム推進部に相談しました」と松前氏は振り返る。

Autoメール名人の大きな特長は、自身がメールの受信機能を持っているという点だ。自ら受信したメールをスクリプトに従って自動で振り分け、添付ファイルの保存やリネームを行なう。イメージ的には自動処理機能付きのメールクライアントといった方が近いかも知れない。
「ほかのRPAでもメールを取りに行くことぐらいはできますが、メーラーをベースにしたRPAはAutoメール名人しかないと思います。国産のRPAなので、ヘルプやUIもわかりやすいです」と伊藤氏は指摘する。

スクリプトはユーザー企業がGUIメニューで開発することもできるが、メーカーであるユーザックシステムに開発を依頼することも可能だ。今回、DISはユーザックシステムのカスタマーサクセスプランを導入し、サービスインまでの期間を大幅に短縮した。
「昨年の10月に導入を決めたのですが、サービスインは翌年の1月だったので、2ヶ月しかありませんでした。イチから内製するのはやはり厳しいので、ユーザックシステムに伴走してもらえるカスタマーサクセスプランを利用させてもらいました」と伊藤氏は語る。

システム推進部 eビジネスシステム1課 係長 伊藤 滋敏氏

多種多様なメールの受信条件を業務部と情シスでマスターファイルに

今回、Autoメール名人が自動化したのは、メール経由で取得した請求書を適切なフォルダに保存し、リネームして格納する処理。一見するとシンプルだが、調べてみるとさまざまなバリエーションがあった。
「一番大変だったのは現状把握。仕入れ先のご担当者様がどのように請求書や納品書を送ってくるかを調べると、多種多様でした」と伊藤氏は振り返る。

一般的なのは、メールに請求書のファイルが添付されるケースだが、ファイルを開くためにパスワードが必要な場合もあるし、そのパスワードが別メールで送られてくる場合もある。また、添付ファイルではなく、リンクが掲出されているダウンロード形式もある。さらに担当者が複数になっており、送信元が異なるというケースもある。業務部のメンバーは、こうした数多くのパターンを洗い出し、取引先ごとの振り分け条件を落とし込んだマスターファイルを作成した。このマスターファイルがAutoメール名人で動作させるスクリプト開発の元となる。

マスターファイルの作成は業務部とシステム推進部との丁々発止のやりとりで進んだという。「僕らユーザー部門は、ああしたい、こうしたいとシステム推進部に好き勝手にリクエストを出すのですが、それに対して伊藤さんからはこうしたらどう?とか、これはできない、と打ち返してくるみたいな感じでした」と松前氏は語る。

システム推進部の伊藤氏は、業務部とのやりとりでマスターファイルの精度を上げるとともに、ユーザックシステムの支援を元にスクリプトを作成した。具体的には、カスタマーサクセスプランを活用し、もっともベーシックな処理と、もっとも複雑な処理のスクリプトをユーザックシステムに開発を依頼した。システム推進部ではそのスクリプトをサンプルとしてカスタマイズを行ない、他の処理に適用するスクリプトを作っていったという。

社内セミナーは業務部とシステム部のギャップを埋めた

カスタマーサクセスプランによるAutoメール名人のセミナーは、業務部のメンバーも参加したという。これは単に操作を学ぶという観点ではなく、業務部とシステム推進部でできること、できないことの目線を合わせるのに役立ったようだ。
セミナーに参加した工藤氏も、「セミナーでAutoメール名人でできることがわかりました。今までシステム推進部に『これもできないか?』とお願いしていたことが、なかなか難しいことも理解できました(笑)」と語る。

業務部で実務を手がける松平氏は、「機能や操作を学ぶというより、「こういう動きをしている」「こういうことをお願いできるかも」というイメージを業務部が持つのに役立ちました」と語る。セミナー会場にはユーザックシステムのSEも参加しているので、操作しながら、その場で疑問も解消できたという。

販売推進本部 業務部 買掛管理グループ 主任 松平 基寛氏

自動化の動きを把握することで、ユーザックシステムのRPAのすごさも理解できたという。松前氏は、「たとえば、添付ファイルを開くためのパスワードをメール本文から抽出するなんて、正直なかなか難しいと思っていました。でも、Autoメール名人であれば、きちんと抽出してくれる。やはり感動しましたし、ユーザックへの信頼につながっています」と語る。

苦労したのは外部を巻き込んだ本番テスト。「普段の業務の中で、取引先様に請求書のテストメールを出してとお願いするのはなかなか難しい。何社かに協力をお願いしましたが、やはり全部はテストできなかった。本番で一部動かないということはありましたね」と伊藤氏は語る。うまく処理できなかったメールのスクリプトを作り直すことで、2022年始のサービスインにこぎ着けた。

電帳法対応に加え、人手のミスも削減 今後もメール自動化に期待

Autoメール名人の導入では単に電帳法対応が実現できただけではなく、業務の精度も上がったという。「ファイル名の変更やフォルダへの保管といった作業を人手で行なうと、どうしてもミスが起こりがち。今回、Autoメール名人の導入でミスも減らせると考えています」と松平氏は語る。

また、Autoメール名人利用のちょっとした工夫で、業務の効率化も図れたという。「ファイルを基幹システムに登録する際に、付帯条件をAutoメール名人でファイル名に挿入するようにしました。ファイルを開かなくても条件がわかるので、探しやすくなります」と工藤氏はコメントする。

今後は一部残っている紙の処理に対してもメールでの取引を提案し、デジタル化を推進していく。「(Autoメール名人は)すごくいいツールですし、業務部でのいい事例もできました。営業部門でも同じようなメールの処理がありますので、活用していきたいです」(伊藤氏)とのことで他部門への展開も計画している。

松前氏は、「このコロナ禍でFAXや電話の運用がメールにどんどんシフトしている状況です。その意味で、メールの自動化というのはどんどん拡がっていくと考えています。ユーザックシステムには、今後もメールの自動化にご協力いただきたいです」と期待を寄せた。

 


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下図のように、メールで受信する電帳法対応帳票(見積書、注文書、請求書など)についてだけでなく、EDIやWebEDIで受信する電子データの処理自動化・効率化も提案しております。


 

企業プロフィール
会社名 ダイワボウ情報システム株式会社
本社 〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島3-2-4(中之島フェスティバルタワー・ウエスト 10F)
設立 1982年(昭和57年)4月8日
資本金 118億13百万円(2022年3月31日現在)
社員数 1,659名(2022年3月31日現在)
事業内容 パソコン及びその周辺機器・ソフトウェアの販売
Webサイト https://www.pc-daiwabo.co.jp/

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