アシックス商事 株式会社 様
事業継続計画(BCP)を重視しつつ、流通BMSに対応
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事例概要
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- 取引先にJCA手順から流通BMSへの切り替え計画があり、対応が求められた。
- 大震災の経験から、事業継続計画(BCP)を重視した仕組み作りが必要に。
- 比較検討の結果、ランニングコストや操作性の良さが決め手となって「EOS名人」を採用。
- 本社と商品センターに同一システムを導入。万一に備え、バックアップ体制も万全に。
流通BMS・レガシーEDI対応オンラインシステム 「EOS名人.NET」 導入事例
アシックスグループの一翼を担う、トータルフットウェアカンパニー
神戸市須磨区に本社をかまえるアシックス商事さまは、スポーツ及びカジュアルシューズ全般を取り扱うトータルフットウェアカンパニーです。
オリジナル性の高い高付加価値商品の提供や強固な財務体質を強みとする同社は、“速く走りたい”少年少女向けのスポーツシューズ「タイゴン」レーザービームや、“おろしたてでも履きなれた靴のようにしっくり馴染む”とビジネスパーソンに好評の「texcy luxe」などのブランドを中心に、総合小売業やナショナルチェーンを主力販売先として展開しています。
今回、同社にご採用いただいたのは、流通BMS及びレガシーEDI対応のオンラインシステム「EOS名人.NET」。導入の背景や効果についてうかがいました。
アウトソーシングを検討するも、将来を見越して自社開発を選択
―――ご検討のきっかけを教えてください
島津:
2011年春頃、スーパーマーケットチェーンのイズミさまから、受発注のEDIについて連絡がありました。2011年10月を目標に、従来型のJCA手順を止め、流通BMSに切り替えるとのことです。
この動きは流通業界全体を見ても顕著ですので、いずれは当社も対応が必要になるだろうと考えていました。そのため、流通BMSの情報収集はおこなってきたのですが、イズミさまからのお話を受け、いよいよ当社も本格的に対応方法を検討する必要があると考えました。
―――どのように検討を進められたのですか
島津:
まずはVAN会社にEDIをアウトソーシングすることを検討しました。VAN会社における、データの送受信やデータ形式の変換サービスを利用する運用です。
アウトソーシングは従量制課金ですので、イズミさまをはじめ、流通BMSへの移行が予想されるお取引先のデータ量を予測し、ランニングコストのシミュレーションをおこないました。その結果、VAN会社の利用が1社だけの場合はまだしも、複数社分の運用を委託する場合は負担がかなり大きいと感じました。
当時はイズミさま以外に、イオンさまや丸井さまへの流通BMS対応が予測されました。そのため、VAN会社の利用は見送り、自社開発を基本としたパッケージシステムの導入を検討することにしました。
―――パッケージシステムには、どのような要件が必要だったのでしょうか
島津:
基幹システムとの連携を考えた場合、パッケージシステムにデータベースがあったほうが良いと考えました。受信したデータを、一定期間、すべてデータベースに保存しておくのです。
流通BMSの受信データには、基幹システムには不必要な項目がたくさんあります。しかし、まったく不要というわけではありません。出荷データの送信時には必要ですし、何かトラブルがあった場合は、受信データそのものをチェックしなければなりません。
要は、必要な時だけ利用できればよいのであって、通常は基幹側の処理能力やディスク容量には負荷をかけたくないという考え方です。
基幹システムに負荷をかけない点を評価
―――当社のセミナーにお越しいただきました
島津:
2011年7月に流通BMSセミナーの案内状をいただき、参加しました。セミナーでは流通BMSの最新情報とともに、「EOS名人.NET」の解説がありました。説明を聞いたところ、前述の要件に非常に近く、「これはいいなぁ」と感じました。
―――他社システムとの比較はいかがでしたか
島津:
「EOS名人.NET」と複数社のシステムを比較検討しました。両者の違いは通信手段です。つまり、「EOS名人.NET」はバッチ型のJX手順を採用していたのに対し、他社のシステムはリアルタイム型のebXML MSを採用していたのです。
しかし、送受信だけリアルになっても、他のシステムがバッチ型の処理ではあまり意味がありません。
ユーザックさんの事例に登場するヤクルト本社さまもJX手順でしたし、当社のデータ量からみても、JX手順で十分運用可能との感触を得ました。また、JX手順のシステムはリーズナブルでしたので、「EOS名人.NET」を採用することにしました。
「EOS名人.NET」の設定方法などを学べる講習会に参加したことも、採用を後押ししたと思います。しっかりできたパッケージソフトだという印象をつよく持ちました。
BCPの観点から、配送センターにもサーバーを設置
―――ご採用後、いかがですか
島津:
BCPの観点から、神戸市の本社と小野市の配送センターに「EOS名人.NET」を1台ずつ導入しました。万一、自然災害などで本社のサーバーが倒れても、配送センターのサーバーで受信して商品の出荷を可能にするためです。
ユーザックさんは、「名人シリーズ」で得意分野に特化されているイメージがあります。特にEOSの分野は、パッケージの精度やノウハウなどが、他社さんに比べ強いですね。
ともあれ、これで流通BMS対応の基盤が整備できました。次はイオンさまです。はじめて出荷梱包(紐付け有)メッセージに対応しますので楽しみです(笑)。
坂井:
「EOS名人.NET」は、直感的に操作可能なインターフェースですので、データのマッピングなどは非常にわかりやすいと思います。要望としては、設定作業やテストの段取りなどをスムーズに進めるためのToDoリストを整備して欲しいという点と、スケジュールによる送受信機能のほかに、ファイルの保存がトリガーになって送信する仕組みもあればいいと感じました。
こちらは、個別で開発していただきましたが、パッケージの標準機能として組み込んでいただければ、さらに使い勝手が向上すると思います。
田野:
サポート担当者の対応も非常に速く、うれしかったですね。
―――本稼働直前のタイミングで取材をさせていただきました。新たな運用が始まるため、現場で混乱が生じないよう万全の態勢で臨みたいとのこと。お取引先や現場重視の姿勢が印象に残りました。本日はありがとうございました。
2012年3月取材(記載内容は取材時の情報です)