株式会社有川製作所 様
RPAトライアルから改善プロジェクトをスタートダッシュ!
短期に成果を上げた秘訣とは
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先が見通せない時代になり、企業における業務変革や業務改善の重要性が高まっています。こうした取り組みは今後、人手不足が深刻になると予想される中小企業にこそ必要だといえますが、「コスト面で余裕がない」「ITツールを使いこなせる人材が見つからない」などの理由でプロジェクトが足踏み状態になっているケースが少なくありません。
石川県金沢市に本社を置く株式会社有川製作所は、従業員数30名の金型設計及び産業機器部品の製造を行う企業です。製造ラインのオートメーションシステムを自社開発してしまうほど、業務の効率化、省人化に意識高く取り組んでおり、2021年9月には、石川県デジタル化技術開発・設備導入支援事業に同社の「外観検査の自動化システム」が採択されたり、最新設備に積極的に投資するなど、モノづくりに対する大きなパワーを感じます。
そんな同社は社内の事務業務の効率化を目的としてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を検討。Autoジョブ名人を導入し、本格稼働後半年足らずで当初もくろんでいた業務効率化を成し遂げた、とお話しいただきました。早期に業務改善の成果を上げられた秘訣を紹介します。
トライアル開始後1カ月で10本以上の自動化スクリプトを開発
――貴社がAutoジョブ名人を導入した経緯についてお聞かせください。
高橋辰治氏(株式会社有川製作所 生産管理):
私は業務改善担当としてRPAによる業務の自動化に興味を持ち、インターネットでRPAに関する情報を集めていました。しかし情報収集の結果、RPAの導入にはそれなりの費用がかかることが分かり、導入はいったん保留になりました。
その後、ほかのITツールを導入して部分的に、一つひとつ業務改善を進めていたものの、求めている成果を上げるためにはさらにもう一歩踏み込んだ施策が必要だと感じていました。そんなときに以前からお付き合いのある北陸コンピュータ・サービスの安多さんから、比較的安価で導入できるRPAとしてAutoジョブ名人をご紹介いただいたのです。Autoジョブ名人は導入しやすい価格に加えて、インターフェースが見やすく操作が容易であり、これなら私でも開発ができるかもしれないと思いました。こうした経緯で、2021年4月からトライアルという形でAutoジョブ名人を導入することになったのです。
安多和貴氏(北陸コンピュータ・サービス株式会社 営業本部 金沢ソリューション営業部):
弊社はクライアント企業の課題解決を目的として、コンサルティングからシステム開発、導入支援、システム運用に至るまでをトータルで支援している会社です。以前別のお客様の案件でAutoジョブ名人の導入支援を行った経緯があり、そのときに製品メーカー自らがサポートを行っている点が信頼できると感じました。また、サポート内容が充実しているので、初めてRPAを使われるお客様に適していると考え、今回ご紹介させていただきました。
――Autoジョブ名人のトライアル期間中はどのような業務を自動化しましたか。また、どのようにして開発を行いましたか。
高橋:
弊社ではまずRPAを使って、EDIの受注入力業務を自動化したいと考えていました。そこでAutoジョブ名人のトライアル期間中に、EDIの受注入力業務のうち、受注伝票を作成する業務とお客様のデータを基幹システムに取り込む業務の一部を自動化しました。
トライアル期間中の開発は、Autoジョブ名人のマニュアルとユーザックシステムのコミュニティである名人+(プラス)に掲載されているノウハウを見ながら行いました。この2点を見ても分からない場合は、担当者であるユーザックシステムの濱野さんにメールで質問をしていました。また、濱野さんの提案で4月半ば頃にWeb会議を行い、それまでに開発したスクリプトを画面共有してレクチャーをしていただきました。
その結果、トライアルを開始してから1カ月ほどの間に合計10本以上のスクリプトを開発することができました。これは、当初予定していた自動化の3分の2に相当します。内訳は毎日実行するスクリプトが6本、週1回実行するスクリプトが2本、月1回実行するスクリプトが4本などです。正直なところ、トライアル期間中にこれほど多くの業務を自動化できるとは思っていませんでした。経営層から見ても想定外だったようで、このことを報告すると、トライアル期間中にもかかわらず「すぐに製品を注文しなさい」と言われたほどです。結果的に7月からAutoジョブ名人を本導入することが決まりました。
本導入から半年ほどが経過した現在は、当初予定していたEDIの受注入力業務の全てをAutoジョブ名人で自動化しています。これによって、少なく見積もっても1日あたり約1時間を削減することができました。
「カスタマーサクセスプラン」で業務改善のモチベーションが高まる
――サポートで印象に残っていることがあれば教えてください。
高橋:
トライアル中、分からないことをメールで質問したときに、回答が非常にスピーディで助かりました。日付の設定方法やスケジュール実行の方法など、細かいことでもちょっとしたコツがあることを丁寧に教えていただきました。トライアル時のサポートが良かったため、本導入後もユーザックシステムの「カスタマーサクセスプラン*」というサービスを利用することになりました。
RPAの導入時点から、業務改善を成功させるための「プラン」を作成し、推進していくサービスです。
RPAシナリオ開発者の教育や、お客様で実現したい業務を取り上げていただき(モデル業務)、その自動化を専任のCSP(カスタマーサクセスプランナー)が徹底して支援いたします。「業務自動化の成功」の実現を、お客様とともに叶えていきます。
https://www.usknet.com/services/autojob/customer-success-plan/
――貴社の業務改善プロジェクトに「カスタマーサクセスプラン」はどのように貢献しましたか。
高橋:
最初に業務改善プロジェクトの目標を立てたのですが、細かく期間を区切ってスケジュールし、スタートするやり方はよいと思いました。RPAの開発担当は当時、私ひとりでしたので、無理なく目標達成に向けてプロジェクトを進められました。
開発についての質問をすると、担当の方からいくつかのヒントが提示されます。カスタマーサクセスプランでは、そのヒントを踏まえた上で試行錯誤して解決策を見つけるように求められました。これによって開発で分からないことがあったときに自分で考えて解決策を導き出すことが習慣化し、開発スキルが向上したと感じています。
濱野晋平(ユーザックシステム株式会社 RPAカスタマーサクセス部):
RPAは「開発したら終わり」ではなく、スクリプトが完成した後も継続して修正などを行っていく必要があります。私たちRPAカスタマーサクセス部は、お客様に開発に使える知識の引き出しを多く持っていただきたいと考えており、あえて質問に対してすぐには回答を示さないことがあります。
試行錯誤しながら開発する経験を積み重ねることは、ほかの業務についても「自動化できるのではないか」と考えることにつながるのではないでしょうか。高橋さんは実際に、開発予定にはなかったメールの受信業務の一部をご自分で自動化されました。私に質問することなく、全てご自分で考えながらスクリプトを開発されたと聞き、素晴らしいと思いました。
カスタマーサクセスプランナーの私からは、スクリプト開発に関するアドバイスやサポートの話が中心にはなるのですが、RPAを社内に認知してもらう重要性についてもお話ししました。そのために例として、RPAで実際に業務を自動化している様子をほかの部署の方に紹介し、「RPAで何ができるか」という観点から興味を持っていただくのはいかがですか、とお伝えしました。そうすることが業務改善や効率化を社内に広めることにつながると思うからです。
RPAは企業のDX推進にどう貢献するのか
――RPAで今後はどのような業務を自動化していきたいとお考えですか。
高橋:
今後は発注書業務を自動化していきたいと考えています。弊社では製品の材料や部品を購入する際に在庫と引き当てて差分をデータ化し、そのデータを印刷した発注書をFAXで送信しています。この業務は現在担当者が一日がかりで行っており、FAXの送信枚数は1カ月で200枚以上に上ります。この業務の一連の流れを全てRPAで自動化するつもりです。
――確かに、FAXを使った業務に課題を感じている企業は多いと聞きます。
安多:
FAX業務に関しては、ただ紙業務を廃止するだけでは解決できないと思っています。最近はペーパーレス化をDXと捉えている企業もあるようですが、私たちはお客様の現場に足を運び、業務を把握した上で真の課題を見つけ、解決するための方法を一緒に考えていきたいと思っています。
有川製作所さまは業務改善、業務自動化を推進したいということで、お話を伺い、RPAをお勧めしました。RPAは導入する際に、業務の棚卸しをするので業務そのものの見直しにつながると感じています。RPAを使うことで、企業が潜在的に抱えている課題の根本的な解決が期待できます。
――Autoジョブ名人は、中小企業におけるDX推進にどのように貢献できるのでしょうか。
矢吹政之(ユーザックシステム株式会社 RPAカスタマーサクセス事業本部 執行役員):
DXは、デジタル技術を活用した上に成り立つビジネスモデルの変革や、その実現に向けた一連の取り組みであり、RPA製品の導入や一部業務の自動化のみで自社のDXが成し遂げられるわけではありません。しかし意外とそう思われている企業様が多くおられます。
日本企業におけるDXの推進状況が芳しくないと言われている理由には、経営層の誤解や理解不足以外にも、ITツールを使いこなせる人材の不足や教育体制の不備もあげられると思います。特に中小企業において、この課題が占める割合は大きいのではないでしょうか。
RPAは人の手で行っている定型業務をロボット化(デジタル化)するだけでなく、ロボット同士の手をつなぎ合わせて業務プロセスのデジタル化を推進することが可能です。これは、企業がDXを成し遂げるために有効です。
Autoジョブ名人は中堅・中小企業の業務現場を強力に支援することを製品コンセプトにしています。製品の稼働安定性、導入後のフォロー、導入後の投資対効果には自信があります。私たちの顧客の6~7割は中堅・中小企業です。Autoジョブ名人は、自動化プロジェクトの豊富な実績の下、単一業務の自動化にとどまらず、業務と業務をつなぎ合わせてデジタル化を進めていける、DX推進を支援できる最適なRPAだと自負しています。
有川製作所様の業務自動化の幅を広げる支援を、今後も強力にバックアップしていきます。あわせて、北陸コンピュータ・サービス様と一緒に北陸の地のIT活用、自動化、DX推進の提案を進めていきたいと考えています。