受注オペレーションの効率化に取り組む。IT化の水平展開目指す
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- 商品の発注はFAXで行っていた。商品改廃時、注文用紙の変更や補充が大変だった。
- 空港施設内で各店舗への配達を担当していた作業員がFAX注文業務も兼務していた。配達をこなしながら、FAX端末がある店舗まで移動し、注文用紙をFAXするのは負担だった。
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- スマホから発注することで、送信場所の制約を解決。
- 基幹システムへ入力する手間が無くなった。
- 売上情報のタイムリーな把握が可能となった。
効果の出るIT活用術
ユーザックシステム「名人」シリーズ導入事例(9)
福岡市を拠点に辛子明太子の製造・販売などを手掛けるやまやコミュニケーションズは、ユーザックシステムのスマートデバイス用アプリケーション「Pittaly(ピッタリー)」を導入することで、売場からの受注オペレーションの効率化に取り組んでいる。これまでFAXベースで行ってきた売場からの注文の簡略化に成功、店舗配送の物理的作業負担も軽減した。今後は社内の他部署でも応用し、業務のIT化の水平展開を目指す。
「受注から出荷までの作業効率を上げ、正確に素早く基幹システムに入力することがロジスティクスの課題だった」と、江波健太郎マーケティング本部ロジスティックスグループマネージャーは振り返る。
同社は羽田空港の土産物店約30店舗に対し、辛子明太子などの商品を納入している。空港への商品搬入は
(1)メーカーから空港倉庫への搬入
(2)空港倉庫から空港内各店舗への配送
の2段階に分かれている。同社の場合、空港内配送は専門の作業員が2人で担ってきた。しかし、二つのターミナルにまたがり、広大な空港施設内を移動することは大変な労力がかかる。
さらに、商品の発注を行う場合はFAXで行っていた。そのため商品改廃に伴う注文用紙の変更・補充はもちろん、FAXの端末がある店舗などに移動しなくてはならず、「労働生産性の上で大変な無理」(江波マネージャー)が生じていた。
そこで、ユーザックシステムのスマートデバイス用店舗発注アプリ「ピッタリー」を昨年から導入。江波マネージャーは「欲しかった機能が実現していた」と語り、スマートフォンから直接発注内容を入力することで、送信場所の制約を解決した。クラウドサービスを活用することで、基幹システムへの入力工数削減も実現。手書き用紙のFAXで生じていたエラーはほぼなくなった。
また、売上げ情報の管理も容易になり、現場担当者がタイムリーに情報共有・発信が可能となったため、商品改廃のスピード感もアップした。
ピッタリーはスマートフォンやタブレットなどの小型デバイスで使用でき、バーコードのスキャン、または商品リストから発注や棚卸しデータを登録、送信できるため、百貨店のストックヤードなど、アイテム数が多く物理的スペースが限られている場所でも力を発揮する。同社は博多駅や市内の大手百貨店などの売場でも展開しており、今後も社内在庫との情報連動などの活用を検討中だ。
江波マネージャーは、「当社同様、食品業界でのIT化はまだまだこれから。ロジスティクス面だけでなく、他の業務へも水平展開することで、さらなる生産性の向上に役立てたい」と語り、さらなる展開を目指している。
日本食糧新聞社 小澤弘教 氏
-当事例について-
当事例は、日本食糧新聞に掲載された記事「効果の出るIT活用術」を転載しています。同記事は、ユーザックシステムが提供する「名人シリーズ」などの商品・ソリューション導入事例を毎月1回、全10回にわたってレポートするものです。