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倉庫の建設動向と2017年のアマゾンの動き(第3回)


オンライン販売が急伸する中、倉庫の需要が急上昇しており、昨年の倉庫の建設投資額は前年比28.4%増の246億7,400万ドルと2年連続で過去最高を記録しました。

商業不動産サービス大手のCBREによると、倉庫の平均規模も2002年から2007年の7,063㎡、高さ8.7mから2012年から2017年には17,158㎡、高さ9.8mと、面積で約2.4倍、容積では2.7倍になっている他、外国企業による倉庫物件の購入が2010年以降610億ドルに達しており、国内企業との間で物件購入の競争が繰り広げられています。尚、売上高10億ドル(約1,100億円)規模のオンライン販売企業は125万平方フィート(約11万6,100㎡)の物流スペースが必要になると推計しています



それでは前号「2017年のアマゾンの動き(第2 回)」の続きで、昨年の同社の動きの3回目です。

  • ホールフードマーケットの買収が公式に承認されたアマゾンは、ホールフードマーケットの商品を値下げする他、オンラインでも販売すると発表。また、アマゾンロッカーの設置を進める他、アマゾン・プライム会員とホールフードマーケットのリワードプログラムを統合し、会員に対して値引きやストアでの特典を提供すると公表。

  • シアトル市内だけで行なっていたトラックによる移動特売サービス「トレジャー・トラック(Treasure Truck)」を全米の都市にも拡大すると発表。

  • 低所得層向けのプライム会員制度を導入すると発表。対象はEBT(Electronic Benefits Transfer)カードを持つ生活保護受給者で会費は5.99ドル/月(通常は月額 10.99 ドルもしくは年額99ドル)。

  • プライム会員及びプライム学生会員向けの注文後2分以内に受け取ることのできる「インスタント・ピックアップ」サービスを同社が展開している大学のキャンパス内ストア5店に導入した。注文と決済はアプリで行われる。

  • スマートスピーカーのアマゾンエコーを利用し家庭内の電気製品を操作するためのスマートホームシステムの設置を受託する出張サービスを始めた。料金は99ドル。

  • 2011年からマーケットプレイスに出店している中小零細企業に貸付を行っているが、これまでにアメリカ、イギリス、日本の企業2万社に貸し付けた総額が30億ドルを超え、過去1年間の貸付額も10億ドルを超えたと発表。貸付額は1,000ドルから75万ドルで、サイトでの販売を通じて1年以内に返済される。

  • 小説やビジネス書などのオーディオブックを好きなだけ聴ける「アマゾン・オーディブル(Audible)」サービスを有料で展開しているが、愛犬家向けに「オーディブル・フォー・ドッグ」というサービスを新たに始めた。カリスマ・ドッグトレーナーのシーザー・ミラン氏と提携したサービスで、犬に朗読を聞かせることでストレスが軽減し、落ち着くようになる効果があるとしている。

  • プライム会員に対し、デビットカードで支払った場合には2%を割り引く「プライム・リロード」サービスを始めた。

  • SFのような多層階のフルフィルメントセンターの特許を新たに出願した。都市部などの密集地での建設を想定したもので、蜂の巣のような外観の建物にドローンの離発着所が数多く設けられ、ここから配送する。

  • TAGとして知られるプライベートラベル・アパレルホールセラーのザ・アパレルグループ社がアマゾンでのダイレクト販売を始めた。

  • ナイキがアマゾンでの直接販売を試験的に始めると発表した。これまではアマゾン傘下のザッポスを通じて販売していた。

  • 米国内のイベント会場などと提携し、イベントチケットの販売に乗り出すと報道された。イギリスでは2015年からチケット販売を行っており成果を上げている。

  • 商品のバーコードをスキャンする、もしくは購入したい商品名を音声入力するとアマゾンフレッシュで食料品を購入できるスマートデバイスのアマゾンダッシュを発表したのは2014年に遡るが、このたびバージョンアップした「アマゾンダッシュ・ワンド(AmazondashWand)」を導入した。魔法の杖を意味する新機種のワンドはバーコードリーダーと音声によってアマゾンフレッシュで購入できる従来の機能に加え、アマゾンの人口知能(AI)であるアレクサと連動しており、レシピの検索や食品の栄養含有量なども行えるようになっている。同機の価格は20ドルだが(期間限定で無料配布する販促も実施した)、利用できるのはプライム会員に限られる上、アマゾンフレッシュの会員になる必要もある(月会費14.99ドル)。

  • ファッションに力を注いでいる同社がソーシャルメディアや販売動向から最新トレンドを見つけ出し、新たなファッションをデザインする人口知能(AI)を開発中だと報じられた。



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著者:オフィス J.K. 代表  ジェイ 広山

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー(季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~)
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート(年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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