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ニューヨークRPAイベント「Automation Innovation 2017」レポート


2017年12月4日から6日まで、ニューヨークでRPAの最大イベント「Automation Innovation 2017」が開催されました。主催はIRPA&AI(INSTITUTE FOR ROBOTIC PROSESS AUTOMATION & AI)で、世界的にRPAの普及活動をする組織です。私は12月5日のメインセッションに参加しましたので簡単にレポートいたします。

開催場所はマンハッタン、セントラルパークの東にあるイベント会場。朝7:30にオープンし、コーヒーや軽食をいただきながら展示ブースを見学します。日本でもおなじみのUI Path, Automation Anyware, NICE, BluePrismの他、WorkFusionやFoxtrotといったまだ日本には入って来ていないRPAも展示されていました。WorkFusionは無料で使えるRPAを提供し、機能を付加する分だけ課金するというビジネスモデルで、FoxtrotはEXCEL操作の自動化のUIが優れている点を強調していました。



いよいよ8:30、IRPA&AIのフランク会長の挨拶でセッションがスタート。基調講演はグーグルで、「WE WILL MOVE TO AN AI-FIRST WORLD」というメッセージ。グーグルのいうAIはAnalytics Intelligenceで、自然言語の認識に力を入れており、利用者の検索結果をより高度で完璧なものにしていくと説明していました。



その後はいくつかの事例講演がありました。その一つ、PNC BankはRPAとAIを組み合わせ、ローンの審査業務の大幅な業務改善の事例を発表しました。PNC Bankは、下記の3つのオートメーションを導入しています。
・RPA
・Cognitive bots
・Chat bot
「RPAとCognitive(認知)を足し算することでできることが多くなる。さらに、バラバラに部分部分にロボをいれている状態ではだめで、全体像を明確にしてどうすれば一気に作業が終わるのかを考える必要がある。そのためには部分的にAIを入れていく必要もある。今後はRPAとAIを1つのツールとして使いこなすべきだろう。例外処理に人間が判断、処理するプロセスを入れている」ということでした。


PNC Bankのローン審査のワークフロー。RPAとAIと人の判断を組み合わせている

企業間のサプライチェーンを支える物流サービスを事業の柱とするOnProcess Technologyは、PDF Invoiceの読み取りを自動化しています。RPAの普及でOCRの必要性が再認識されており、その文字認識率に注目が集まっています。しかしOnProcess Technologyは完璧なOCRは求めずに、誤認識があるという前提で業務フローを設計しているのが特徴的でした。


OnProcess TechnologyはPDF Invoiceの読み取りを自動化

パネルディスカッションの一つに「オートメーションとAIのために包括的なビジネスケース構築について」がありました。主に以下のような議論をされていました。
・これまではRPAの導入が目的化されてきた傾向がある。
・本来RPAは業務プロセスの改善のツールに過ぎない。
・RPAにAIを組み込む企業が今後増えてくる。
・そこで問題になるのが、RPAやAIがどこまで判断を任せて良いのかだ。
・AIといえども判断にミスがあるという前提で考え、誰がその責任を負うのかも明確にすべきである。
・今の業務フローをそのまま自動化するのではなく、ルールや責任範囲を再確認し、徹底的な標準化をしてから自動化に取り組むべきだ。
・本来のビジネスゴールを、いかに省力化するかという観点で見なくてはいけない。


まとめ
米国ではRPAの活用範囲はルーチンワークを自動化するClass1から、一部 AIを活用したClass2に広がっていると感じました。これをRPA2.0ということもあるようです。日本国内でもRPAの導入意欲が高くなって来ましたが、ややRPAツール検討ブームと言った感じかしないでもありません。各ツールの機能比較も大切ですが、その導入目的である業務の改善を忘れてはいけません。またAIに対する期待も大きいですが、AIは100%正確に処理するものではないという前提で導入しなければなりません。RPAおよびAIによる業務の自動化は、判断ミスを前提にしたルールや責任範囲の明確化がより重要となるでしょう。



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著者:ユーザックシステム株式会社 マーケティング本部 小ノ島 尚博




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