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米国流通業

宅配は留守でも家の中に届ける?!

年末商戦を間近に控え、ラストワンマイルの宅配スタッフ不足の問題が浮上している他、2016年には米国で1,100万人が玄関に置かれた宅配荷物が盗難にあったという調査結果もありますが、こうした問題を払拭する新たなサービスが誕生します。

ウォルマートはスマートロック(スマートフォンで開錠できる家の鍵)を販売しているオーガスト・ホーム社及び宅配サービスのデリブと提携し、留守にしていても宅配スタッフが家の中まで商品を届ける実験を行っています。

シリコンバレーで行われている実験は、スマートロックを既に自宅に設置している利用者がウォルマート・コムで食料品などを購入すると、商品はデリブのスタッフが宅配します。宅配スタッフがスマートロックの呼び鈴を押すと、利用者のアプリに通知が届き、カメラで宅配人を確認した上で開錠し、指定の場所に置いてもらうのです。あるいは宅配スタッフが利用者から伝えられたパスワードでスマートロックを解除し留守宅に上がり、内玄関やテーブルの上、あるいはキッチンの冷蔵庫を開け卵やミルク、冷凍品等の注文品を保存することもできます。

そのため同社では「冷蔵庫まで直接配達」とアピールしています。セキュリティが心配されますが、利用者が事前に認証しておくパスワードは、一度だけ使えるように設定されている他、利用者のアプリにはスマートロック解除も通知される上、一部始終をリアルタイムでモニターできるようになっており、宅配の様子は室内に取り付けた監視カメラで撮影されます。また、スタッフが留守宅から出たことを確認し、アプリでスマートロックの施錠もできます。

また、アマゾンがウォルマートより先行して同じような新たなサービス「アマゾン・キー(Amazon Key)」を11月8日よりプライム会員向けに主要37都市で始めると発表しました。このサービスもスマートフォンで遠隔操作できるスマートロックとカメラを設置することで、留守にしていても宅配スタッフが開錠し屋内に商品を届けることができる他、同社が提供している清掃や家事代行といった有料サービスも受けられます。

同サービスは「アマゾン・クラウド・カム(Amazon Cloud Cam)」と呼ばれるインターネット・セキュリティ・カメラとスマートロックのホームキットセット(価格250ドルより)を購入し、取り付ければ受けられます。尚、同社ではアマゾンロッカーの設置を拡大するとともに、アパートや集合住宅向けのアマゾン以外からの宅配も受け取ることのできるロッカー「アマゾン・ハブ」も急速に普及しつつあり、導入した集合住宅の総戸数は85万戸以上に及んでいます。

加えて、自動車のトランクに宅配荷物を届けてもらうサービスの実験も行われています。同サービスはサンフランシスコを拠点とするスマート・ライセンスプレート・メーカーの「フレーム(Phrame)」が行っているもので、スマートフォンと連動するスマート・ライセンスプレートに隠されたキーボックの開錠、施錠をスマートフォンで行えます。



August Home
参照動画:https://youtu.be/aiv8tLCix9U?list=PLtqztfmz3tjswYtJbS6M9IDdRjOfItqs3


Amazon Key
参照動画:https://youtu.be/wn7DBdaUNLA





著者:オフィス J.K. 代表  ジェイ 広山

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー(季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~)
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート(年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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